日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。
侍ジャパンに日本中が熱い視線を投げかけている。第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕。日本代表・侍ジャパンは初陣で格下のブラジルを相手にまさかの大苦戦を強いられたが、3月4日の中国戦では大勝、2次ラウンド進出を決めた。
今大会で日本代表の面々に課せられているのは、言うまでもなく3連覇。国民の期待を一身に受け、日の丸を背負いながら戦うプレッシャーは並大抵のものではない。
だが、いくらプロ選手といえども、われわれと同じ人間だ。2月15日開始の宮崎合宿から長きに渡って代表の一員として拘束され、「JAPAN」のユニホームを着続けていれば、ストレスは当然溜まってくる。
大会期間中、彼らは何を“息抜き”としているのか。今大会で選手や首脳陣、そしてスタッフに取材して見ると、意外にも多かった答えが「タバコ」だった。
「えっ、スポーツ選手が、タバコを吸うの?」
思わず、そんな言葉を口にしてしまう人が多くいるかもしれない。実のところ、プロ野球選手の喫煙率は他のプロスポーツ選手と比べてみても圧倒的に高いのが現状だ。球界関係者によると「正確な数字は把握できていないが、周囲の目を気にしながら吸う“隠れ喫煙者”も含めれば、少なく見積もってもプロ契約選手の40%は喫煙しているだろう」。
侍ジャパンにも愛煙家が多く、首脳陣の山本浩二監督や東尾修投手総合コーチも現役時代からのヘビースモーカー。主力の中にも球場内の喫煙所で、タバコをくゆらす選手が大勢いる。今大会で代表メンバーに初選出された若手人気野手のAは練習が終わると、美味しそうに煙をプカ〜ッ。その野手に「なぜタバコを吸うのか?」と質問を向けると、こう答えた。
「この、ひと時こそが自分をプレッシャーから解放してくれるんです。世の中は禁煙ブームかもしれないけれど、ボクはプロ野球選手をやっている限りタバコをやめるつもりはありません。なぜかって? それはもちろん、ストレス発散ですよ。やっぱり現役中はストレスや緊張を覚えることが多い。特にこの侍ジャパンのユニホームを着ている間は、いままで経験したことのないようなプレッシャーがのしかかる。だからタバコは、そうした重圧から解放されるための必需品なんです」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング