人口が減少し消費が思ったように活性化ない今日、少し先の未来には「流通バトルロイヤル」が待っているはずだ。そこで勝者となる条件は、より細分化した消費者のニーズを汲み取り、さらに希薄化している消費意欲を活性化させる工夫に他ならないはずだが、その精緻(せいち)なマーケティングに挑むより昨今の流通業界の関心事は「インバウンド消費」に向かっているようでもある。例えば現在立て替え中の坂屋銀座店は完全にインバウンドシフトを打ち出しているようで、現在銀座通りに路上駐車しているアジアを中心とした観光客のバスを丸ごと関内に飲み込めるよう、建物地下にバスターミナルを完備設計になっているという。
富裕高齢者層の次は業際を越えた流通業界が渾然一体となった、テナントビジネスシフトとインバウンド需要狙いという戦いが始まる構図が何となく見えてきている。まだそこで「百貨店」としての勝利の方程式は見えてこない。いや、もしくは名古屋の松坂屋が「松坂屋」の看板を外すことに象徴されるように、「百貨店」という業態そのものが姿を消していくということなのかもしれない。
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