10月スタート、イオン銀行ってどんな銀行?
10月中をめどに、イオンの100%子会社「イオン銀行」が営業を開始する。どのような銀行になるのか、今分かっていることを整理してみよう。
10月中をめどに、イオンの100%子会社、イオン銀行が営業を開始する。流通大手のイオングループが金融業に進出ということで注目を集めているが、イオン銀行とはどのような銀行になるのだろうか?
ショッピングセンターと同じ営業時間、ATMも夜9時まで無料
イオン銀行は10月5日に予備免許が下り、現在金融庁からの本免許を申請中という段階だが、10月中に都内に第1号店をオープンし、営業を開始する予定になっている。
10月5日付けのプレスリリースによれば、イオン銀行は開業当初から、普通預金、定期預金、積立定期預金などの預金受入業務を行うほか、年金保険など保険商品の販売、投資信託や住宅ローン、カードローンといったローン商品も販売する総合銀行を目指すという。また、発行するキャッシュカードには、同グループが推進する電子マネー「WAON」を搭載する。
基本的に支店は、イオングループのショッピングセンター内に開設する。大きな特徴といえるのが営業時間だ。原則、イオン銀行の営業時間は、入居しているショッピングセンターと同じ。土日祝日はもちろん、正月三が日やゴールデンウィークなども含め、朝9時から夜9時まで営業するという。
ATMの展開も、支店と同じくショッピングセンターが中心となる。イオングループの展開するショッピングセンター、スーパーマーケット内にATMを設置し、ショッピングセンターの営業時間中は、入出金、残高照会、振り込み、定期預金への入金などはいつでも無料で利用できるようにするという。
このほかに、インターネットバンキング、モバイルバンキングサービスも提供していく。
“ユーザー視点”の銀行で、どこまで成長できるか
イオン銀行は、開業後5年で300万口座、預金残高6500億円以上を目指す。
近年は異業種からの金融業参入が続いており、ネットに特化した業態の銀行が増えている。流通業大手が開いた銀行としては、セブン&アイホールディングスの「セブン銀行」が先行しているが、セブン銀行がATMに特化した銀行になっているのに対し、イオン銀行は上述のように、対面サービスも行うフルバンキングとなるのが特徴だ。
イオン銀行がどこまで成長できるのか、冷静な見方をする業界関係者は多いが、土日祝日なども営業するという、“ユーザー視点”のユニークな業態は一定の支持を集めそうだ。イオングループはショッピングセンター各種のほか、コンビニエンスストア「ミニストップ」なども展開している。ATMの使い勝手を重視するユーザーが増えている昨今、イオンがどのような銀行を始めるのか、注目が集まる。
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