ジャレコの新事業コアはFX――元ライブドアの羽田氏が新社長に
ジャレコ・ホールディングの新社長に元ライブドア取締役の羽田氏が就任した。業績低迷に苦しむ同社はオンラインゲームを縮小させ、FX事業で建て直しを図っていくという。
ジャレコ・ホールディングは3月27日、2008年度の事業戦略を発表した。同社の2007年12月決算は経常利益が−4億900万円、当期純利益が−65億1100万円と赤字に転落。新社長に就任した元ライブドア取締役の羽田寛氏は、不採算事業のオンラインゲームと不動産を縮小させ、金融事業に力を入れていく方針を示した。
ジャレコグループの金融事業にはFX(外国為替証拠金取引)事業を展開す「パンタ・レイ証券」と、金融全般のシステムを製造・販売する「FONOX」があり、この2社で30%ほどの売上高を占めている。さらにFX事業会社の買収や資本提携なども検討しており、「単なるFX事業者ではなく、FXのマーケットを作っていきたい」(羽田社長)と抱負を語った。
低スプレッド、高レバレッジがビジネスモデル
FXは1998年4月に外為法の改正を受け、外貨を売買できる金融商品として登場した。少額の証拠金で何倍もの大きな額(レバレッジ)で取引できる上、異なる国・地域の通貨の値動きによって利益を上げられる。
ここ数年、証券会社や異業種からの参入が続いており、手数料競争が激化。また高レバレッジを目玉に、顧客の囲い込みを図っている事業者もある。矢野経済研究所の調査によると、2007年3月期のFXの市場規模は前年比62.2%増の6133億円、口座数は同95.2%増の66万4802口座と急成長で伸びている。
パンタ・レイ証券の特徴は、低いスプレッドと高いレバレッジが挙げられる。スプレッドとは、通貨を売買する際に発生する買値と売値の差のことで、このスプレッドは事業者が任意に設定することができる。一般的にスプレッドを低く設定している事業者で売買する方が利益を上げやすく、パンタ・レイ証券はスプレッドを、業界最低水準の「1銭から」としている。
またレバレッジを400倍まで高く設定できる。「従来のFX事業者は、高いスプレッドに低いレバレッジを設定するというビジネスモデル。(パンタ・レイ証券では)低いスプレッドと高いレバレッジで、顧客の獲得を図っていきたい」(羽田社長)
他社と協業しながら、FX事業を展開
ただし、パンタ・レイ証券の証拠金預かり残高は約20億円にとどまる。預り残高が100億円を超える事業者は10を超えており、パンタ・レイ証券の規模ではスケールメリットを生かすのは難しいだろう。そして、この弱みを“補う”のが、金融システムだという。
金融システムを製造するFONOXとの連携を図り、FX取引ツールの機能を高めていく考えだ。利用者の声を反映しながら、2週間に1度のペースで新機能を追加していく方針だという。FONOXでは現在、FX事業者の「MJ」にシステムを提供しており、「今後も他社と協業しながら、FX事業を展開していきたい」(羽田社長)と話した。
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