大企業と中小企業、給与の差はいくら?
一般的に「大企業の給与は高い」といわれているが、本当なのだろうか? 大企業と中小企業の大卒初任給を比べると、大きな差はないものの、主任・係長クラスを比べると、8万円ほどの開きがあるようだ。社会経済生産性本部の調べ。
中小企業よりも大企業の方が給与水準は高い、と定説のようにいわれているが、実態はどうなっているのだろうか? 大企業(従業員1000人以上)の部長クラスの平均給与は70万700円に対し、中小企業(同100人未満)は50万7400円と、約20万円の開きがあることが、社会経済生産性本部の調べで分かった。
20代後半から30代が多い係長・主任クラスの平均給与は34万5000円。大企業では40万6000円に対し、中小企業は31万8000円と8万8000円の差があった。
また大卒の初任給を見ると、大企業で21万2300万円、中小企業で19万6600万円。この結果について「新卒社員を確保するため、支払い能力のある大企業を中心に初任給の底上げが影響している」(社会経済生産性本部)
郵送による調査で、上場企業など717社が回答した。調査期間は2007年10月15日から12月28日まで。
新卒から30歳位までの賃金は全体で増加傾向
営業・販売の賃金を見ると、「新規開拓などの営業職」が32万5000円(前年31万8000円)、「ルートセールスなどの営業職」が30万8000円(同29万6000円)、「小規模店長」が40万5000円(同40万4000円)など、前年とほぼ同じ水準となった。
システムエンジニア関連では「アシスタントレベル」が28万(同26万6000円)、「システムエンジニア」が32万5000円(31万4000円)と、給与は増えているものの、専門性の高い「システムコンサルタント・システムアナリスト」は48万円(同49万2000円)と前年比で減少した。
過去4年間の平均と比べ今回(2007年)の調査結果の特徴は、新卒から30歳位までの賃金は全体で増加傾向にある。ただ部課長クラス以上になれば大企業の増加額が大きく、中小企業との賃金格差がうかがえた。
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