調査リポート
うつ病・うつ状態の可能性があるのは、約8人に1人
うつ病の可能性がある人で、実際に病院で受診した人はどれだけいるのだろうか? これまでに医療機関で受診したことがある人は3割以下と、受診率の低さが明らかになった。ファイザー調べ。
就職や人事異動といった環境変化になんとなく対応できず、無気力になったり、精神的に落ち込んだりする人もいるだろう。WHO(世界保健機関)の調査によると、日本では約15人に1人が生涯に1度はうつ病を経験するという。
製薬会社のファイザーは「うつ質問票」を活用して、うつ病に関する実態調査を実施したところ、調査対象者4000人のうち、約8人に1人がうつ病・うつ状態の可能性であることが分かった。うつ病・うつ状態に該当した人(486人)で、医療機関を受診したことがある人は24%と、医師へ相談している人が少ないことがうかがえた。
インターネットによる調査で、12歳以上の4000人がうつ質問票に回答した。調査期間は2月7日から2月16日まで。
周囲の助言が受診の後押しに
うつ病・うつ状態に該当した人で、医療機関を受診したきっかけは「自分で決めた」が91%で圧倒的に多く、次いで「家族に相談して決めた」が10%、「友人・知人に相談して判断」が3%。「うつ病については周囲に相談しづらいという意識もあり、自分だけで判断してしまう人が多いようだ」(ファイザー)
家族や友人などに相談した人の83%は、医療機関を受診しているが、自分で判断した人は15%しか受診していない。鳥取大学医学部の中込和幸教授は「うつ病は、医師の指導下での早期発見・早期治療が重要な病気。変調を感じたら、まずは医療機関を受診して、治療を開始するのが最善の方法」としている。
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