シャープ、CO2排出削減で新制度導入
亀山工場など国内外の工場で環境保全設備の導入を進めるシャープ。生産量に応じてCO2や廃棄物の排出量を削減することを目標としていた従来の方針から一歩進め、総量での削減を目指す。
京都議定書後の枠組みが議論される北海道・洞爺湖サミット開催まで、残り1週間を切った。温暖化ガス削減の取り組みが世界的に強化される中、企業も環境保全へ向けて積極的に貢献することが求められている。
7月1日、シャープは「環境・社会報告書2008」を発表した。同社では、生産量当たりのCO2や廃棄物排出削減に成功するなどした工場を「スーパーグリーンファクトリー」と独自に認定しているが、2007年度に国内10工場すべてが「スーパーグリーンファクトリー」になったと報告した。2008年度からは第2段階として、CO2や廃棄物排出量を絶対量から削減することを評価基準に加えた「スーパーグリーンファクトリーII」制度を開始。2008年度以降、各工場でのCO2排出量を前年度比3%削減、廃棄物排出量を同6%削減していくことを目標とする。
太陽光、液化天然ガス発電でCO2削減
国内工場の中でも、いち早く2003年度にスーパーグリーンファクトリーに認定されたのが、三重県にある亀山工場(参照リンク)だ。電力使用に関しては、環境負荷の少ない太陽光エネルギーを積極的に採用。甲子園球場3つ分の広さ(4万7000平方メートル)の太陽光発電システムを工場の屋上や壁面に設置して、5150キロワットを発電している。また、LNG(液化天然ガス)を用いて発電、廃熱の2次利用も進めることで、火力発電でのエネルギー供給よりも年間で約7万6000トンのCO2排出量を削減することに成功した。発電だけではなく製造工程排水のリサイクルも進めており、1日に2万8300トン排出される水を100%回収し再び工程で使用、水資源の保全にも努めている。
同社では、現在大阪府堺市に建設しているコンビナートについても、「亀山工場を超える究極の環境先進型工場を目指す」とコメント。同コンビナートでは、「メガソーラー発電計画(参照リンク)」として関西電力や堺市と共同で、世界最大級の太陽光発電設備の建設が進められている。
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