電子マネーの平均保有枚数は2.1枚。1つにまとめるならどれ?
駅やタクシー、自動販売機など、さまざまな場所で使えるようになっている電子マネー。複数枚持つ人も増えているが、1つにまとめられるとしたらメインで使いたい電子マネーは地域によって異なることが分かった。野村総合研究所の調べ。
着実に利用者を増やしている電子マネー。2007年以降普及が進み、もはや“目新しいもの”という意識を持つ人は少ないだろう。
男性ユーザーが多いEdy、女性ユーザーが多いWAON
野村総合研究所が2007年に続いて電子マネーについて調査したところ、鉄道系電子マネーの2008年の地域別保有率は、Suica(首都圏)が56.2%(2007年は53.6%)、PASMO(首都圏)が31.7%(同21.3%)、ICOCA(近畿)が19.6%(同18.2%)、PiTaPa(近畿)が18.6%(同11.3%)であることが分かった。特にPASMOやPiTaPaの伸びが顕著となっているが、野村総合研究所では「利用できるシーンが増えたことが大きい」と理由を推測している。
非鉄道系の電子マネーでは、Edyは24.5%(2007年は23.8%)とそれほど保有率が変わっていないが、2007年に登場したnanacoは8.9%(同2.0%)、WAONは6.1%(同0.3%)と大幅に保有率を伸ばしている。
それぞれの電子マネーを最も利用する人の属性を調べてみると、男性利用者が62.7%のEdyとは対照的に、WAONでは女性利用者が79.9%を占めているなど、種類によって利用者が異なっている様子も読み取れる。
まとめたい電子マネーは地域によって異なる
電子マネーの普及が進んだ結果、1人が複数の電子マネーを持つケースが増えている。本調査によると、電子マネー保有者の平均保有枚数は平均2.1枚だ。
場所によって電子マネーを使い分けなくてはならないのは面倒。1枚にまとめたいというニーズは大きい。そこで電子マネー利用者に、もし1枚で交通も買い物もすべて相互利用できるとしたら、メインとして使いたい電子マネーはどれかと尋ねたところ、首都圏ではSuicaが39.3%、近畿ではICOCAが22.8%、東海ではEdyが31.3%の支持を集めた。また、電子マネーがまだ普及していない福岡では、34.3%が「分からない/どれも使わない」と答えた。
調査対象は首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)1000人、東海(愛知、三重、岐阜)250人、近畿(大阪、京都、兵庫、奈良)500人、福岡250人。調査時期は6月13日から15日。
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