オンライントレードサイトの利用時間が減少する理由
株価をチェックするときって、どのようなときだろうか? やはり自分が持っている株が上がっていれば気になるもの。ネットレイティングスの調査によると、証券会社のWebサイトの利用時間と株価が連動していることが分かった。
「保有している株が下がっているから、最近株価なんかチェックしていないや」――そんな個人投資家は少なくないのでは。実際、低迷する株式市場を反映する形で、証券会社が運営するWebサイト(オンライントレードサイト)の総利用時間(利用時間の合計、家庭用PCからのアクセスのみ)が減少傾向にあることが、ネットレイティングスの調べで分かった。
これまで最も総利用時間が多かったのは、2006年1月で約10.6億分。しかし2008年に入ってからは低水準で推移しており、6月の総利用時間は約6.2億分、ピーク時と比べ40%ほどの減少となった。「オンライントレードサイトの利用時間は株価指数との相関が高く、株価の上昇局面では増加、逆に下降局面では減少している傾向がある」(ネットレイティングス)と分析している。
総利用時間ランキング、トップはSBI証券
2008年6月時点において、個別の証券会社及びFX専門会社の利用時間を見ると、SBI証券が約2.1億分で2位を大きく引き離しトップ、利用者数も唯一100万人を超えている。2位は大和証券で0.8億分(利用者数65万人)、3位外為ドットコムで0.7億分(同64万人)、4位ジョインベスト証券で0.6億分(同69万人)となっている。また最近のFX取引の人気を反映して、FX専門会社の外為どっとコムが3位に、ひまわり証券が10位にランクインした。
今回の調査結果についてネットレイティングスの萩原雅之社長兼チーフアナリストは「オンライントレードサイトの利用が株価と連動する結果は、投資家のマインドを考えると当然。金融商品取引とインターネットの親和性の高さは、昨今のFX取引の認知度向上によるFX専用サイトの数や訪問者数の増加としてもあらわれている」という。
ライブドア事件が起きた2006年1月の総利用時間は10億分を超えていたが、その後は新興市場の低迷などの影響を受け、総利用時間は8億分を割った。しかし2007年6月には日経平均株価が1万8000円台を付けたことと連動して、総利用時間も8億分を超えたが、サブプライムローン問題や原油高、円高などの影響により、2008年3月には6億分台に低迷。その後も6〜7億分台が続き、ほぼ3年前の水準で推移している。
8月に入ってからも日経平均株価は1万3000円前後と、さえない状況が続いている。相変わらず株価をチェックしていない個人投資家が多いのかもしれない。
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