猛暑が続く中、男性用の帽子が売れている。連日の強い日差しに加え、ガソリン価格上昇で車の利用が控えられていることが影響、売上高が倍増した百貨店もある。このところ消費者の財布のひもは締まりがちだが、節約につながる商品は人気のようだ。
西武百貨店池袋本店では7月、男性用帽子の売上高が前年の2倍以上だった。天気が悪かった前年の反動もあるが、従来の年配層だけでなく、30〜40代の購入が目立つ。同店には、自転車で得意先を回る営業マンや、マイカーを極力使わず電車やバスを利用するようになった人が帽子を買いに来るという。
販売促進部の熊谷栄さんは「節約志向がこういう形で顕在化してきた」とみる。売れ筋は、かばんの中に入れておき必要な時に取り出して使える折り畳み式の帽子。水でぬらしてかぶると、気化熱で涼しくなる商品もヒットしている。東京・銀座の老舗「トラヤ帽子店」でも、折り畳めて放熱性が高いパナマ帽が売れている。「初めての人でも気軽にかぶれる」そうだ。
帽子関連の業界団体「東京帽子協会」の横山光宏事務局長は「最近の中高年はおしゃれな人が増えており、出掛ける機会が多く、夏の外出には帽子が必需品になっている。ガソリン高で外出が“近場”志向になっている影響もあるかもしれない」と話している。
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