三菱電機、新工場建設で太陽電池の年間生産能力を600メガワットに
エネルギー価格の高騰や各国政府の環境への取り組み強化などから、需要が高まっている太陽電池。三菱電機が8月27日、2009年12月をめどに太陽電池の新工場を建設し、2011年度には600メガワットの年間生産能力を目指すと発表した。
三菱電機は8月27日、太陽電池の生産拠点である飯田工場(長野県飯田市)内に新たに太陽電池セル第2工場を建設することを発表した。2009年12月竣工を目標としており、第1工場と合わせた太陽電池の年間生産能力を2011年度に600メガワットまで引き上げるという。
同社では太陽電池の世界需要を2008年度は2520メガワットと分析。7月に開かれた北海道洞爺湖サミットの「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合宣言」(参照リンク)で、再生可能エネルギーの利用を促進する必要性が確認されたことなどから、2011年には4430メガワットに増加すると予測している。
同社の太陽電池の年間生産能力は2007年8月時点で150メガワット。これまでは2012年度中に年間生産能力を500メガワットとすることを目指していたが、「需要の増加が見込めることから、目標を前倒しした上に引き上げて、2011年度に600メガワットの生産能力を確保することを目標とする」(中村一幸リビング・デジタルメディア事業本部本部長)。2007年度に太陽電池生産量トップに立ったQセルズ(ドイツ)など世界の太陽電池企業が増産を急ぐ中、三菱電機もその流れに乗り遅れまいとする形だ。
太陽電池セル第2工場の高さは30メートルで4階建て。建築面積は5710平方メートルで、のべ床面積は約2万4000平方メートル。同社では太陽電池セル第2工場の建築費90億円を含んだ太陽電池事業への総投資額は、2011年までに500億円になるとしている。
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