新郎もスポットライトを浴びたい――当世結婚式事情:キャスター・目黒陽子の「今、これが気になる」
結婚式が多いこの時期ですが、最近ではちょっぴり工夫を凝らしているものが多いとか。「披露宴に出席してくれた人たちを感動させたい」という思いから、新郎が行うこととは……?
著者プロフィール:目黒陽子
フリーアナウンサー(ライムライト所属)。大和証券SMBCを経て、資格ファイナンシャルプランナーを取得後、キャスターへ転向。NHK総合「お元気ですか日本列島」、「BSニュース」、日本テレビ系列「ウェークアップ!ぷらす」などを担当し、政治・経済など、情報を伝えることの大切さと難しさを学ぶ。同じくアナウンサーの滝川クリステルは従姉妹にあたる。ブログ:http://www.fpcaster.com/
秋晴れが続くこの時期は、結婚式のハイシーズン。“結婚式貧乏”なんていう言葉がありますが、重なるものなんですね。年末までに友人の披露宴が数回あるのでなかなか大変。でもおめでたいことですし、出席させていただくと感動する披露宴が多いので、やっぱり結婚式は楽しみです。結婚式で感動するシーンといえば、新婦が親に手紙を読むことが“定番”でしたが、最近では新郎が“○○”してゲストらを泣かせてくれることが多いようです。さて、この○○とは?
男性のピアノ弾き語り
先日出席させていただいた披露宴で、男性のピアノ弾き語りを初めて拝見しました。ピアノの弾き語りといえば、陣内智則さんと藤原紀香さんの結婚式で話題になりましたよね。それはテレビの世界だから……なんて思っていたら大間違い。密かにピアノを練習する男性、リアルに増えてきているようです。
「ピアノなんて触ったこともない」という男性が、花嫁に内緒でピアノ教室に通い、自宅のキーボードで練習して、披露宴で演奏するというサプライズ。新郎が「コブクロの『永遠にともに』を弾きます」と聞いたとき、「ベタだなあ〜」と会場からの笑い声。これには私も賛同してしまったのですが、演奏が始まると会場の雰囲気は一変しました。
新郎の弾き語りに耳を傾けるゲストらは、声に出さずとも『頑張って!』と応援する気持ちで見守っていました。演奏を終えた後、目頭を押さえられずに涙を流す人が多かったですね。
その演奏は、お世辞にも上手とは言えないかもしれません。でも、ピアノを触ったこともないという男性が密かに教室に通い、キーボードまで購入し、毎晩夜中になるとイヤホンで音を消して、新婦に内緒で練習していたというからたまらなく泣けるのです。
なぜそうまでして弾こうとするのか?
「新婦やゲストの方々を喜ばせたい」という思いでピアノの練習を始めた新郎ですが、やはり恥ずかしさもあったようです。しかし、練習を重ねていくうちに、ピアノ本来の良さというものが分かってきて、練習すること自体が楽しくなったといいます。
ピアノ教室の先生によると、初心者が歌を歌いながら間違いなくピアノを弾くことは、毎週通っても6カ月では難しいそうです。かなりの根気がいるようですが、新郎は結婚後もピアノ教室に通い、いろいろな曲に挑戦するとのこと。またピアノの先生は「きっかけはどうであれ、男性にもピアノの楽しさを分かってもらえるので、このブームはかなり嬉しい」と言ってました。
最近の結婚式は、職場の人をたくさん呼ぶ形式ではなく、本当に親しい人を集める傾向にあるようですね。そのため「新婦やゲストの方々を喜ばせたい」「感謝の気持ちを伝えたい」という新郎が多いようです。また「あの人がそんなことできるわけないわ〜」など、新郎とのギャップがあるほど、驚きますよね。そういう意味でも陣内さんのサプライズは、男性たちへの影響力があったよう。ちなみに『永遠にともに』は、新郎が歌いたい曲ナンバーワンなんだそうです。
両親への感謝の手紙を読むのは花嫁だけじゃない
これまで披露宴の締めくくりの定番といえば、新婦から両親への感謝の手紙。ここで会場は“感動モード”へと盛り上がるのですが、最近では新郎と新婦がそれぞれの親に手紙を読み上げるケースが増えているとのこと。
その方法はいろいろあるようですが、プロジェクターを使って、感謝の気持を表現するものが多いようです。手紙に書かれた文字の隣に思い出の写真が映し出され、両親だけでなくゲストらも感動するそうですよ。
オリジナルの結婚式にこだわる新郎たち。お料理や会場が豪華であるよりも、感謝の気持を表現することで感動してもらいたいという結婚式が増えているようです。このような披露宴に出席させていただくと「素敵だったなあ」と心に残りますね。昔の披露宴といえば、花嫁さんが主役でしたけど、最近は新郎にもスポットライトが当たる時代なんですね。
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