えっ、ウォシュレットからボールペンに? TOTO茅ヶ崎工場に行ってきた(2/2 ページ)
不要になったウォシュレットを試験的にリサイクルしているTOTO。「ウォシュレット」といえば、トイレの中にあるため“汚い”と感じる人も多いはず。それがボールペンに変化すると聞いたので、リサイクルをしている茅ヶ崎工場を訪問してきた。
もはや社内でのヒット商品
こうして茅ヶ崎工場でウォシュレットのリサイクルを行っているが、当初はリサイクル樹脂を海外向けに販売していた。しかし「自分たちで作ったものが、どこに行き、どのようにして使われているのかが分からない」(鈴木さん)ということに疑問を感じた。国内でどのようにしたら、リサイクル樹脂が使えるのだろうか。いろいろと調査した結果、文具業界でリサイクル樹脂の需要があるということにたどり着いた。
そして文具メーカー「ゼブラ」にABS樹脂とPP樹脂を持ち込み、どのようなモノができるのか、両社で検討を始めた。その結果、ABS樹脂はボールペンの本体に、PP樹脂はラインマーカーに活用できることが分かった。また「売れ筋商品を作れないものか? と考え、何度も試作を繰り返した上、ゼブラのヒット商品であるボールペンに決定した」(鈴木さん)
ウォシュレットの型によっても違うが、1台に付き約200本のボールペンが作れるという。現在ではTOTOで社内向け文具として利用しているほか、環境展示会などで配布している。これまで約12万本の“ウォシュレットリサイクルボールペン”が作られ、「もはや社内でのヒット商品」と鈴木さんは胸を張る。
使用済ウォシュレットから生まれ変わるのは、ボールペンだけにはとどまらない。2007年12月には「テープのり」をコクヨと共同開発。またショールームのノベルティとして「卓上ハーブポット」※も製作した。
次にどんな“新商品”が誕生するのだろうか。「これまで皆さんが驚くようなものを考え、作ってきた。今後はモノ入れやカタログを入れるバッグを検討している」という。
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