デジタル家電に地殻変動――薄型テレビは成長減速、PCはミニノートPCが好調(2/2 ページ)
市場調査会社のBCNがデジタル家電4品目(薄型テレビ、PC、レコーダー、デジタルカメラ)の足元の需要状況を発表した。順調だった薄型テレビの需要に陰りが見えたり、PCではミニノートPCが市場を席巻したりと、さまざまな地殻変動が起こっているようだ。
レコーダーでは販売台数に占めるブルーレイディスクレコーダーの比率が50%に近付く
ブルーレイディスクレコーダー(以下、BD)とDVDレコーダー(以下、DVD)を足したレコーダー市場は夏場以降、大幅に販売台数・金額ともに伸ばしている。台数構成比では10月時点でBDが47.6%を占めており、半数をうかがう勢いだ(2007年10月は5.7%)。
HDD容量は、BDでは250GB、320GB、500GBが30%強でほぼ並んでいる。一方、DVDでは250GBが主流だが、「HDDなしの製品が人気を集めており、10月では11.6%を占めた」(BCNアナリストの道越一郎氏)。またBDの売れ筋が10万円未満に移ってきている。
BDのシェアはパナソニック、ソニー、シャープの三つ巴状態。パナソニックが9月に新製品を投入したことで、9〜10月はパナソニックのシェアが高くなっている。DVDもシャープ、パナソニック、東芝の三つ巴だが、それに低価格を売りにしたディエックスアンテナが加わっている。
不調のコンパクトカメラ、好調な一眼レフカメラ
デジタルカメラでは、市場が飽和しつつあるコンパクトカメラは販売台数・金額ともに前年割れしているが、一眼レフカメラは高成長を続けている。
コンパクトカメラは、ほとんどの製品が顔認識機能や手ブレ補正機能を搭載するなど差異化が難しくなっている。ただ、ズームレンズの高倍率化は進展しており、従来主流だった3〜4倍に代わり、4〜5倍が中心になりつつある。一眼レフカメラの人気の背景には、「レンズキットを合わせて購入する比率が高くなっていることから、初心者を取り込めているようだ」(道越氏)
コンパクトカメラの10月のシェアはキヤノンが20.3%と頭一つ抜けているものの、パナソニック(15.1%)、カシオ(14.0%)、ソニー(13.0%)、ニコン(10.6%)が10%を超えており混戦状態。一眼レフカメラではキヤノン(41.1%)とニコン(36.2%)が抜きつ抜かれつの展開を続け、ソニーも10%を超えてきている。
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ソニーとシャープ、シャープとパイオニア、パイオニアと松下電器産業など、“昨日の敵”が業務提携を結んでいるが、どこまで本気なのだろうか? 提携や統合で淘汰の荒波を乗り越えようとしているが、失敗に終わった例も珍しくないようだ。
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