トヨタ自動車、59年ぶりの最終赤字見通し――販売不振で今期3度目の下方修正
トヨタ自動車は6日、2009年3月期の連結業績予想を下方修正すると発表した。営業損益は4500億円の赤字、純損益は3500億円の赤字になる見通し。北米を中心とした世界的な販売不振から下方修正を余儀なくされた。
トヨタ自動車は6日、2009年3月期の連結業績予想を下方修正すると発表した。営業損益は4500億円の赤字、純損益は3500億円の赤字になる見通し。今期3度目の下方修正で、2008年12月22日に下方修正した見通し(営業損益1500億円、純利益500億円)からさらに引き下げた。「最終赤字となるのは59年ぶりのこと」(同社広報部)。売上高は前期比20%減の21兆円と従来予想を5000億円下回る見込み。
営業損益を3000億円引き下げた内訳は、販売面での不振が2100億円で、為替(円高)による影響が900億円。北米を中心に全世界で販売台数が減少しているため、連結販売台数の通期見通しを従来予想の754万台から732万台に引き下げた。「来期の販売計画はまだ立てていないが、732万台を超えることは難しいのではないか。為替も現行の1ドル90円の水準が続くと厳しい。ただ、原価改善や固定費削減の効果が出つつあり、原材料価格も下がってきているのはプラス要因と言える」(木下光男副社長)
今後の収益を改善させるために、短期的には商品ラインアップの拡充、中期的にはハイブリッドカーやコンパクトカーなどの開発、資源国・新興国向け商品の充実に努める。また、さらなる原価低減に取り組むほか、設備投資や開発費、労務費などの固定費を10%削減する。
「既存工場の閉鎖については一切考えていない。現在は国の内外に74本ある生産ラインのうち27本を(昼夜2交代制度の「2直」から昼間勤務だけの)1直にして生産能力を6分の1に落としている。ワークシェアリングで、正社員の雇用を守るべく最大限の努力をしたい」(木下光男副社長)
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