矢野経済研究所は3月2日、「宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査結果」を発表した。2008年の宝飾品市場規模は、前年比12.1%減の1兆538億円。1991年のピーク時には3兆150億円だったが、2008年には約3分の1の規模にまで落ち込んだことになる。
2008年は世界的な金融危機の影響で、ぜいたく品である宝飾品に対する消費マインドが、ほかの消費財よりさらに低下している。好調だった海外ブランドが過剰出店などから売り上げを落としており、東京・銀座などでは中国、ロシアなどの新興国観光客による旺盛な買い物需要も減ってきているという。
「最大の需要期であるクリスマス商戦が経済不況の渦中と重なったことで、百貨店、専門店ともにギフト用の売上げが大幅に下落した。また、一部の富裕層に好調だった高額品についても、クレジットカード会社のカードローン与信供与の自主規制などによって販売不振となった」(矢野経済研究所)
同研究所では「2009年以降の宝飾品市場規模も当面回復は見込めず、早くても2009年秋頃から主に株価回復などを受けて、ぜいたく品に対する消費マインドも回復し、それに伴い、市場も緩やかに回復基調となる」として、2009年の宝飾品市場規模は前年比7.5%減の9747億円と予測している。
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