日本の家族は20年で変化した? 心地よさを意識する「保温家族」へ
20年前と比べ、家族の絆は強まっているのだろうか? 博報堂生活総合研究所の調査によると、「意識して家族の絆を強めることをする方がよい」という夫は、20年で20ポイントほど上昇した。
昔と比べ、家族の絆は強まっているのだろうか? それとも弱まっているのだろうか? 博報堂生活総合研究所の調査によると、「家族の絆を強める」ことへの意識は、20年前は夫婦ともに36%〜37%だったが、その後夫は10年ごとに10%ずつ上昇し、56%に。妻も1988年から1998年は3.4ポイントの伸びだったが、1998年から2008年の10年間では10ポイントほど増え、48.5%まで上昇。夫婦ともに家族を維持しようという意識が高まっていることが明らかになった。
家族の都合よりも自分の都合を優先させる方がよい、という夫は28.3%(1988年)から16.8%(2008年)と11.5ポイントも減少。妻も1998年まではわずかに伸びていたが、2008年では10.3%から6.3%と4ポイントダウンした。また家族に迷惑でも個人が納得する生き方をする方がよい、という夫は1998年に若干伸びたものの、2008年では21.3%から18.0%となり、再び1988年レベルに戻った。一方の妻は18.1%(1988年)から12.8%(2008年)になるなど、「ここでも夫婦ともに自分よりも家族を優先しようとしている意識が見られた」(博報堂生活総合研究所)
訪問による調査で、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に在住し、夫婦が同居している600世帯※が回答した。調査期間は2008年6月12日から7月7日まで。
家族の行事・イベントも増加傾向
子どもの誕生日など、行事やイベントを行っている家族はどのくらいいるのだろうか? 毎年恒例の家族行事を行っているかどうかを聞いたところ、家族の誕生日祝いは10年前よりも、上昇(子ども8.0ポイント、夫5.4ポイント、妻8.4ポイント)していることが分かった。さらにクリスマスや父の日、母の日、結婚記念日なども上昇しており、家族であることを確認するイベントは増加傾向にあるようだ。
調査結果について「収入の多寡で主導権争いをするのでも、自立した個の集合体として互いを必要以上に尊重するのでもない。空気のような存在である。安息の場としての家族を、悩んだり迷ったりしながら、それぞれが何とか維持しようとメンテナンスしているのが、今の日本の家族。家族ならではの心地良さを意識的に保持する『保温家族』へと向かっている」(博報堂生活総合研究所)とコメントした。
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