自転車版パーク&ライドで、自転車ツーキニストを増やそう:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
通勤電車に乗れば混雑、乗り換えの移動でもまた混雑……。満員電車にさよならするために、自転車通勤を検討してみてはいかがだろうか。「家から自転車じゃ遠すぎる!」という人のためのアイデアも考えてみた。
サイクルステーションを宿場駅に作ろう
近年、都心区への人口流入は増えているとはいえ、都内は家賃が高い上に給与も伸びないご時世なのでフツーのビジネスパーソンは郊外に住むことになる。しかし、都心まで15〜20キロ圏に住んでも、自転車実走距離は軽く30キロ(片道)、道路次第で40キロ以上にもなる。これでは毎日自転車通勤、というわけにはいかない。
だが、宿場駅から都心のオフィスへの自転車通勤なら楽。逆もまたしかり。宿場駅をツーキニストの拠点にできないだろうか。そこで、「ドーナツ区の宿場駅に、サイクルステーションを作ろう!」という提案をしたい。
宿場駅で電車を降り、サイクルステーションに駐輪しておいた自転車にまたがり、自転車ツーキニストに変身して都心へ向かう。逆に郊外の自宅から宿場駅までだけの自転車ツーキニストもいい。平日には宿場駅から都心の職場まで自転車で往復、金曜日にはがんばって自宅までジョギング、休日は宿場駅からガラガラの都心に自転車で入って皇居周辺を散策することもできる。一杯やるのを宿場駅でやれば、電車で帰れるので道交法違反にもならない。道路事情やその日の予定に合わせて、自在に自転車を活用できる。
省スペースの駐輪場「エコサイクル」
宿場駅の駐輪場は地下を使おう。地下駐輪場のパイオニア、技研工業の「エコサイクル(参照リンク)」なら省スペースの地下駐輪場が建築可能。東京都三鷹市、香川県高松市、和歌山県和歌山市などに納入実績がある。
郊外居住者に自転車通勤の道を開いてくれる、宿場駅のサイクルステーション。パーク&ライドの自転車版とも言える。通勤電車の混雑緩和はもちろん、“サイクル都民”を増やすことは周辺商業にも恩恵がある。駐輪場契約者に、宿場駅の区内の商業施設の割引券を発行してもいいし、区内の名所やイベントへの集客効果も期待できる。地元商圏がぐっと広がる起爆剤になる。
ステーション設備にはただ駐輪できるだけでなく、衣服ロッカーや着替えのためのドレスルームも欲しい。レンタルサイクル、電動自転車の充電サービス、お手入れサービス(パンク修理など)や用具販売、盗難保険販売などもあればいい。サイクルショップを誘致すれば、家賃収入も得られるだろう。ecute(エキュート、参照リンク)やEchika(エチカ、参照リンク)は都心主要駅エキナカの開発で、サイクルステーションはドーナツ区の宿場駅の開発と住み分けもできる。サイクルステーションが実現したら、ぜひ自転車でテープカットをしましょう!
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