三菱商事は7月14日、スペインの新エネルギー事業会社Acciona S.A.との間で、全世界を対象とした新エネルギー・環境事業を共同で推進することを目的とした包括的な戦略的提携に関する覚書を締結したと発表した。両社は本提携を通じて、環境保全と経済成長を両立させる持続可能な事業を積極的に推進していく、としている。
Accionaは、新エネルギー環境事業、インフラ事業、不動産事業などを手がける事業会社。太陽光や風力、太陽熱、バイオ燃料などを利用した新エネルギー発電設備は約700万キロワットを保有しており、総合的な新エネルギー事業会社では同社が世界最大。
本提携に基づき、両社は新エネルギー発電事業など、太陽光、風力、太陽熱、バイオ燃料を中心とした事業を共同で開発・運営する。また、新エネルギー発電事業に加え、水事業や温室効果ガスの排出を抑制する建造物や交通システムの構築など広範な協業を検討する。
本提携の第1弾として、三菱商事は2009年3月にAccionaが保有する世界最大の太陽光発電事業会社ポルトガルAmper Central Solarの株式の34%を取得。今後も新エネルギー発電プロジェクトや関連企業に共同出資し、総額20億ユーロ規模のプロジェクト創出を目指すという。
なお、本提携にはエネルギーや水、環境インフラなどの分野での共同研究や開発も含まれており、両社間で人材交流やトレーニングプログラムを実施することで、ビジネス知見の共有や新たな価値の創造を目指すとしている。
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