第17鉄 新幹線よりスローでリッチ!? 近鉄アーバンライナー:杉山淳一の +R Style(4/4 ページ)
名古屋から大阪まで鉄道で行こうと思ったら、東海道新幹線に乗る人が多いだろう。しかし近鉄「アーバンライナー」という選択肢もいいものだ。料金は約半額で、ぐっとリッチな気分が味わえる。
大和盆地から大阪平野に入ればゴールはあと少し。大阪線の列車の運行本数も増えてきて、アーバンライナーが各駅停車や急行を追い越すシーンをいくつも見られる。景色は住宅ばかりで飽きてくるけれど、線路好きや時刻表好きには、こうした列車の追い越しシーンがとても嬉しい。
布施駅では高架の近鉄奈良線と近鉄大阪線が合流する。これもなかなか見応えのある風景だ。ノンストップ列車に乗ったなら、やっと停車する鶴橋駅で思わずため息。名古屋から走り続けたアーバンライナーをねぎらいたくなる。上本町からは地下に潜って日本橋、そして難波に到着だ。
名古屋から難波大阪まで、ゴージャスなシートで駅弁を食べつつ、変化に富んだ景色を楽しむ。これが新幹線スローでリッチな「アーバンライナー」の旅である。お金を使うより時間を使うほうが贅沢じゃ、あ〜りませんか。おっと、関西ノリになってきた。
終着駅の大阪難波といえば「なんばグランド花月」、花月といえば大阪の中心だ。新幹線だと地下鉄乗り換えが必須だが、アーバンライナーなら直接大阪の中心地に到着する。これも人気の理由だろう。
今回の電車賃
名古屋−大阪 近畿日本鉄道 乗車券2350円 特急券1850円 デラックスカー料金410円 (合計4610円)
著者プロフィール:杉山淳一
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。
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