トップ生保レディーの営業術(2/2 ページ)
大手生保だと末端の営業担当者の数は万を超える。売れる人と売れない人の差はどこにあるのだろうか? ある大手生命保険会社のトップセールスレディたちにその秘けつを聞いてみた。
もう1人のトップセールスの努力には脱帽しました。
「新人のころお昼の時間しか客先に行けなかったんです。声をかけようにも一斉に社員が出てくるのでタイミングがつかめず、すごく苦労しました。
会社にいても仕事にならないのである日の夕方、客先に行ったら、大勢の帰宅途中の社員とすれ違ったんです。それから毎日夕方行くようにしたらある日、昨夜道にいたね、と向こうから声をかけてもらったんです。それからは明るい街燈の下に立って、もっと目立つようにしたんですよ」
誰かが見ていてくれたことが彼女の殻を破ってくれたのでしょう。
男女ともに80%(生命保険文化センター調べ)と、生保の加入率が異常に高いわが国では保険の新規開拓の余地は少なく、見直し需要がほとんどです。そのタイミングは人によってまちまち。「誰かに聞いてみようかな」と思う時の「誰か」になるために日々顔を売っているようなものです。
仮に保険の見直しをしたい人が出てきたとすると、待ちに待った提案の機会です。しかし、多くの営業担当はここでどちらかの罠にはまります。一方的にまくしたて、決断を迫る。あるいは断られるのが怖く、「お願いします」の一言が言えない。買う方からすれば、納得さえすれば自然と判子は押すものなのですが。
居場所がある喜びとない悲しさ。声をかける恐怖、断られる恐怖。これらの感情を乗り越える、または殻を破るのは自分ですが、周りは手伝いをどれくらいしているでしょう。
営業担当であれば、業界や商品が違っても似たような経験はあるのではないでしょうか。成熟産業ならなおさらそうでしょう。
今日もうちのオフィスに求人広告の新人営業マンが来ていました。うちには現状採用ニーズはないけれど、「がんばれよ、めげるなよ」と心の中で応援してしまいました。(横井真人)
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