GSユアサグループのブースではエネループの競合商品も展示
GSユアサグループのブースでは、人工衛星用や航空機用、電気自動車(EV)用、産業用など、さまざまな用途に最適化したリチウムイオン電池や、三洋電機のエネループと競合する単3/単4型ニッケル水素電池、EV/PHEV用急速充電器などを展示していた。
このほか、IHIは共同事業契約を締結したA123システムズの各種の車載用リチウムイオン電池モジュールを、川崎重工業は発電出力変動の調整や電気バスなどの大型車両に使用する大容量・大モジュール容量のニッケル水素電池「ギガセル」を、古河電池は鉛蓄電池とキャパシタをハイブリッド化した「ウルトラバッテリー」を展示していた。
従来の鉛蓄電池の弱点だった急速充放電に対応できるように、鉛蓄電池の負極にキャパシタ電極を組み込んだ古河電池の「ウルトラバッテリー」。ブレーキ回生の電力を受け入れられるようになったほか、アイドルストップのような高負荷な使い方でも従来の鉛蓄電池の4倍の長寿命化を実現したという
良好な高温特性や高い安全性、耐過放電性を備える全固体リチウムイオン2次電池
二次電池ゾーンで毛色の変わった展示をしていたのは出光興産。同社のブースは「出光固体電解質」を採用した全固体リチウムイオン2次電池にフォーカスした展示構成となっていた。
出光固体電解質は、有機系電解液に近いイオン伝導度や、400度付近までの高温安定性、10ボルトの電位窓を有する電気化学的安定性を備えているという。このため出光固体電解質を採用した全固体リチウムイオン2次電池は、100度でも良好な充放電サイクルを有する高温特性や、20ボルトまでの過充電や200度までの加熱でも破裂・発火・発煙しない安全性、過放電後も電池として使用できる耐過放電性があるほか、有機電解質系のリチウムイオン電池では使用できない活物質を使用して、さらなる高容量化を実現できる可能性もあるという。
同社では、年内にセル当たりアンペア時級の容量を持つ12ボルトモジュールを試作して実用性能の評価や実用化を検討し、2012年には商品化したいとしている。
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