還付金はいくら? 確定申告のコストとリターンを考える:投資4コマ漫画『カブ・ジェネレーション』
毎週土曜連載の『カブ・ジェネレーション』。年度末は確定申告の季節。あずさも申告書類を作るのが大変だったようです。
国税庁Webサイトの確定申告書作成コーナーは、年々進化を遂げています。2008年までは外国株の配当金にかかる外国税の控除の申告ができなかったので、筆者は出力書類に手書きで訂正を入れる羽目になったのですが、2009年はそれがWebサイト上でできるようになりました。さらに今年は、株の配当や投信の分配金にかかる税金を売買金額の損益と合算できることになり、その入力も指示通りに行えばかなりスムーズにできます。
外国税額控除とは、外国企業からの配当金に対して、その企業のある国と日本の両方で二重に課税されている場合に、一定の額が還付されるというものです。米国市場には、米国以外にインド、ロシア、ブラジル、南アフリカなどさまざまな国の企業も上場しています。さらに今年から、今までは外国税のなかった中国の一部市場でも課税されるようになりました。米国市場でさまざまな国の株を持っていたり、中国の株を持っていたりする人は、外国税を取り戻そうとすると、少々面倒なことになってしまいます。
Webサイト上での入力がスムーズになったとは言え、証券会社から送られてくる書類は、項目と数字がやたらに多くて目が回るし、外国税は国ごとに税率が違うのでまた面倒です。すべての入力を終えた時にはそれなりの充実感が得られますが、還付される外国税額は、きっとあなたを満足させられないはず……。外国税には控除限度額があり、給与所得のあるビジネスマンがたしなむ程度に外国株をやっている場合は特に、金額が少なく感じられることでしょう。コストとリターンを冷静に考えて、申告をしない人も多いようです。その気持ち、少し分かります……。
編集Hのつぶやき
時給で計算すると、嘆きたくなるような作業ってありますよね。
著者プロフィール:雄山スズコ
漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。投資歴5年。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)。日本経済新聞紹介サイト「nikkei4946.com」で4コマ&コラム「まんがで見るキーワード」を連載中。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。
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