一石三鳥から四鳥を狙いに行くアクション(2/2 ページ)
うまくいく経営者やリーダーは1つのアクションで1つの効果を狙うという律儀なことはしないという筆者。3つも4つも効果があるようにアクションを考えていくのが普通だと話します。
ただのリストラにしない
昔、ある企業で「営業マンをリストラしないと」という話になりました。で、各支店の問題児というかリストラ候補者がリストアップされて、特別販売部隊という名前を付けられて、当時シェアの低かった九州に全員を転勤させ、九州の開拓にあたらせました。
突然、「九州に行け」と言われ、そんなところで新規開拓をさせられたら、辞める人は辞やめますね。
でも、本当に頑張った人もいたんです。しばらくして、当時、九州の支店長が東京の経営者のところにやってきて言いました。「本当にがんばっているやつもいる。そういうやつは俺に面倒を見させてください。辞めさせないで下さい。」と。経営者は「勝手にしろ」とだけ言いました。
本当にその時頑張った人たちは、その支店長に非常にかわいがられました。辞めた人も多かったものの、頑張った人の中には生き残った人もいました。
ただ、経営者にとっては、九州を開拓できても、営業マンが辞めてもどっちでも良かったのです。冷たいですよね……。かつ、支店長の頼みを聞いてやったという形を取っていますね。うるさい支店長を黙らせるカードにもなる。この支店長は頑張らざるを得ない。いろいろ、経営者の中で計算があったと思います。
汚いかもしれません。でも、打ち手がどっちに転んでもいい、そういう手を打つ。それは経営者として大事なのです。多くの経営者を見るにつけ、私は「甘いなあ」と思ったりします。本当に甘い。
人が行動できる量は限られています。行動の量を限界まで高めたら、その費用対効果を最大化するしかないのです。すごくシンプルですけどね。(伊藤達夫)
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