日本がオランダに勝つ確率は10.6%!?――ネット時代のスポーツ観戦方法:誠 Weekly Access Top10(2010年6月5日〜6月11日)
スポーツ観戦をしていると、自国びいきになってしまったり、辛口になりすぎたりで、感情によって極端な予想をしてしまいがちだ。そこで、客観的に試合を見るため、海外のブックメーカーのオッズを利用してみてはいかがだろうか。
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先週最も読まれた記事は「『美人記者』急増の危うさ……“体当たり”取材の功罪」。2位は「東京都民が、クルマを所有しない理由」、3位は「だから週刊誌は売れない……そう感じた事例」だった。
客観的な数字が知りたい!
カメルーンに1対0で勝ったサッカー日本代表。ワールドカップ前の試合では負けが続いていたため、「本番でも3連敗するんじゃないの?」という沈んだ雰囲気もあったのだが、にわかに盛り上がりを見せている。この1戦で評価が180度変わった岡田武史監督だが、監督業について早稲田大学で行った講演を誠でも紹介しているので、オランダ戦の前にぜひ読んでいただければと思う。
さて、筆者は時々、サッカー中継を見ていて、不満に思うことがある。それは数字があまり出ないこと。野球中継では打者ごとにシーズンの打率や打点、本塁打数、当日の成績から得点圏打率までが表示されるのだが、サッカーではゴール数が表示されるくらい(ハーフタイムにシュート数やボール保有率が表示されたりはするが)。そのため、映像以上のものが伝わってこないので、中継に引き込まれにくいのだ。
そこで筆者が試しているのが、海外のブックメーカーのオッズを横目に観戦するという方法。日本国内から実際にお金を賭けるのは法律的にグレーゾーンなのでやるべきではないのだが、賭けなくてもオッズの動きを見ているだけで面白いのだ。
例えば、BET365という英国のブックメーカーでは、6月16日に行われたスペイン対スイスの試合結果を賭けの対象としていた。ブックメーカーは試合前のオッズを[スペイン勝ち:引き分け:スイス勝ち=1.28倍:5.00倍:15.00倍]と設定。ここの控除率※は5%前後(筆者推定)なので、一律5%と仮定して、各項目が実現する確率をブックメーカーが何%と予想しているか計算すると、[スペイン勝ち:引き分け:スイス勝ち=74.2%:19%:6.3%]となる(実際は一律5%ではないので、各項目を合計しても100%とならない)。
オッズはブックメーカーが設定しているのだが、賭け金がバランスよく分散するように随時調整しているので、この確率は「賭けに参加する人たちがどう考えているか」という数字に非常に近くなる。「現実にそうなる確率」とは異なるのだが、実際にお金をかけている分、無責任なアンケートよりは現実に近い数字が出ているのではないかと思う。
特にスポーツの報道は極端なもの(「日本は絶対勝つ!」「3連敗で間違いない」等々)が多いので、実際どのくらい人気に差があるかが分かりにくくなってしまうもの。そんな時にこの数字を見れば、ある程度の客観的な視点が得られるのではないだろうか。
リアルタイムの勝敗予想
そして、BET365の面白いところは、ゲーム中にも賭けを続行していること。下画像はスペイン対スイスの試合中のオッズの動きを示したもの。試合前は圧倒的にスペイン勝ちの予想が多いが、後半早々にスイスが点を入れると、ガラッとオッズが変わり、最終的にスイス勝ちのオッズが1倍へと収束していく様子が分かるだろう。「控除率を一律5%と仮定した場合のオッズと支持率の関係」を下図で示したので、それと照らし合わせると、より面白く観戦できるのではないだろうか? これは、ネット時代の新しいスポーツの楽しみ方ではないかと考えている。
控除率を一律5%と仮定した場合のオッズと支持率の関係
オッズ | 9.5倍 | 4.75倍 | 3.17倍 | 2.38倍 | 1.9倍 | 1.58倍 | 1.35倍 | 1.18倍 | 1.06倍 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
支持率 | 10% | 20% | 30% | 40% | 50% | 60% | 70% | 80% | 90% |
ちなみに日本対オランダの現在のオッズを見ると、[オランダ勝ち:引き分け:日本勝ち=1.44倍:4.00倍:9.00倍]、つまり[オランダ勝ち:引き分け:日本勝ち=66.0%:23.8%:10.6%]と予想されている。この数字が試合中、どのように変わっていくか楽しみにしたい。
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