矢野経済研究所は6月28日、「ソーシャルゲーム※市場に関する調査結果」を発表、2009年度の国内ソーシャルゲーム市場は前年度比7.5倍の338億円となったことが分かった(ユーザーがソーシャルゲームの利用対価として支払った金額の合計で、広告収入は含まず)。
※ソーシャルゲーム……SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上で提供され、SNSのユーザーがゲームを介してコミュニケーションできるオンラインゲームのこと。
同研究所ではこの急成長について、「mixiが2009年8月、モバゲータウンが2010年1月、GREEが2010年6月以降(予定)にそれぞれAPI※をオープン化し、外部企業がSNS上で動作するアプリケーションの開発が可能となったことにより、数多くのタイトルが提供されたことが挙げられる。参加障壁を低くするためにソーシャルゲームの多くは『基本プレイ無料』で提供されており、またSNSのコミュニケーションツールとして、今までゲームに触れることのなかったユーザーや、ゲームを止めていたスリープユーザーなどを吸引することに成功した」とコメントしている。
※API……Application Programming Interface:開発を効率的に行うための技術。
モバイルゲームの市場規模である約900億円がソーシャルゲーム市場に移行すると同社では分析、2010年度は747億円、2011年には1171億円に達すると予測している。
関連記事
- ゲームプラットフォームの未来、「セルフィちゃんねる」の挑戦
PCや携帯に、スマートフォンやiPadなどの新たな情報端末が加わり、ゲームアプリのプラットフォームが一気に増えている。プラットフォームの選択肢が増える中、特定のプラットフォームに依存しないソーシャルゲームが登場しており、今回はその一例として「セルフィちゃんねる」の展開方法を紹介する。 - 「走りながらマーケティングする」――データに支えられたソーシャルゲーム運営
ファンドやコンテスト創設により、本格的な拡大が期待されるソーシャルゲーム市場。その先駆的企業であるZyngaが唱えるソーシャルゲーム特有の運営方法“データ・アプローチ”とは何なのか。世界展開に向けた躍進の条件を探る。 - なぜ私たちは“仮想”アイテムを買うのか?――ソーシャルゲームのビジネスモデル
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で友人などと一緒に簡単なゲームをプレイする「ソーシャルゲーム」が流行っている。SNS上に形成されているコミュニティを活用したゲームなのだが、既存のオンラインゲームのビジネスモデルとの違いはどこにあるのだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.