なぜ、選挙カーでは名前だけが連呼されるのか?(2/2 ページ)
参議院選挙の投票日まで、あと3日。街を走る選挙カーはにぎやかである。しかし、市民は、冷ややかである。結局、何も変わりはしないのではないか……? みんな笑顔の選挙ポスターが貼られている掲示板を見ながら、つくづくそう思う。
選挙の方法を議論しよう
どれもこれも、選挙に必要な広告表現のセオリー通りなのである。「選挙カーによる名前の連呼」「みんな同じ選挙ポスター」、これら古くからの選挙の手法にはきっと科学的理由がある。行動心理学的には、正しいものだけが残ってきているのだと思う。
しかし、いつまでこのような「選挙」を続けるのだろうか……。結局、民主主義の選挙だと得票数が結果なので、物量に身を委ねることになる。最大公約数を狙っていくマーケティングということではないか。時代とは、逆行している。その逆行具合は、すさまじくレベルが低い。経済と政治のニュースの格差は、こうやって生まれている。そして、優秀な人材が政治家を目指さなくなるという決定的な病巣を生み出している。
アインシュタインのこの格言をプランナーとしていつも肝に銘じている。
「問題を作り出した時と同じ考え方では、その問題を解決することはできない」
国単位で動く民主主義というシステムに問題が生じているのが今日である。その問題を解決するためには、問題を作り出している根本の「選挙」の方法を議論するのが大事なのではないだろうか。「民主主義2.0」は、選挙改革から始まる!
ちなみに、総選挙にかかる費用はもろもろ合わせて約800億円ということを聞いたことがある。日本の有権者数は約1億人ということで、我々が投じる1票には、約800円という税金がかかっている。投票率6割なら、320億円のムダ。もったいない。
選挙という茶番を揶揄(やゆ)してでも、何かしら変えたいと思うなら、選挙権を行使するという内なる民主主義は貫きたい。ニュースを見ながら政治に文句をつけられる権利は、選挙に行った人たちだけに与えられるものではないかと……選挙権を得てから10数年、いい大人の年になって気が付いた。(中村修治)
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