営業に学ぶ、“正しい”新卒採用のあり方(2/2 ページ)
企業が新卒採用するに当たっては、コスト意識が欠けていたり、自社の都合のみを考えてスケジュールを設定していたりすることがあると主張する筆者。「営業ならどうするか?」という視点に立つことが、新卒採用を上手にやるためのポイントであると説く。
営業の視点で新卒採用を考える
営業で「ご契約は来月以降でないと受け付けられません」と言って、買う気満々の顧客を待たせることはありません。また、「先月までで、ご契約は終了いたしました。」と言って、せっかくの顧客の申し出を断ることもありません。顧客の購入意欲の盛り上がりは人それぞれであって、その人に合わせて段取りやスケジュールが決まるのは当たり前のことです。
新卒採用では面接・選考の日程はだいたいの場合、しっかり決まっていて学生がそれに合わせるのが普通になっています。しかし、これによって入社意欲が高まっている学生を逃がしてしまったり、待てばもしくは何回も会えば可能性が出てくる学生を落としてしまったりしていることはとても多いと思いますが、当然と言えます。
営業活動が成功したか否かを判断する際、営業コストがどれくらいかかったかは重要なポイントです。同じ売り上げを上げても、少ないコストでそれを達成した方が評価されるのと同じで、新卒採用でも採用費、1人当たりいくらをかけて採用するか、採用できたかを指標とするのは企業として当然のことです。
「人にはカネをかけないといけない」「カネをかけた方がいい人材が採れる」などと誰かに言われているのか、他部署と比べられることがないからか、「予算があるから使ってしまえ……」なのか、多くの場合、人手が足らないことを理由にコスト感覚がまったく感じられない採用企画・活動を見かけますが、人事部の傲慢(ごうまん)と言うしかありません。新卒採用の活動を、より効果的にするには「営業ならどうするか」という視点で考えることが重要です。(川口雅裕)
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