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「分からないことはお客さまに聞け」の落とし穴(3/3 ページ)

「分からないことはお客さまに聞け」と言われたり、思ったりしたことはないだろうか? 筆者は、お客さまに聞いて学んでいいのは、「お客さまの理想像」と「苦情とご指摘」だけだと主張する。

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理想像を知る

 「分からないことはお客さまに聞け」という態度では駄目だという話を書きましたが、お客さまに積極的に聞かなくてはいけないのは「理想像」です。お客さまがその分野について、何らかの課題を抱えていたり不便な状態があって、それを解決するために新しい商品やサービスを求めようとしているわけです。

 まずはどういう状態を望んでおられるのか。「理想像」のイメージを正確に理解するように注力しなくてはなりません。お客さまの描いている理想像の理解に集中することには、2つの大きなメリットがあります。

1.提案の幅が広がる

 「理想像」と「現在の状態」のギャップが、抱える課題です。理想像をイメージして、既成概念を取り払って考えることができれば、理想像を実現する方策は山ほども考えられると思います。

 しかし、理想像を理解しないで、「御用聞き」のように、お客さまの抱える課題や不便さだけを聞き対応していると、示された範囲の課題の1つ1つに対応する「課題対応型」になり、発想の幅も制限され、提案の幅も非常に狭いものになってしまいます。

2.理想像の考え方に刺激をいただく

 お客さまと対話していて最も学びになる瞬間は、お客さまの企業としての理想像を聞かせていただく時、ご担当者が自分の担当するプロジェクトや仕事自体にどんな理想像を描いているかを聞かせていただく時です。

 人は高い理想に触れる時、刺激を受け、視野が広がります。お客様に聞いて学んで良いのは「こうした『企業の理想像』『プロジェクトの理想像』を聞かせていただく時」「苦情やご指摘を真摯(しんし)に聞かせていただいて、変革をしていかなければならない時」の2つの時です。(今野誠一)

 →今野誠一氏のバックナンバー

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