矢野経済研究所は11月18日、「電子書籍市場に関する調査結果」を発表、2009年度の国内電子書籍市場規模を前年比19.6%増の610億円と推計した。日本では5月に発売されたiPadが電子書籍市場急成長の契機とされ、2010年を「電子書籍元年」という声もあったが、iPad発売前からもスマートフォンを含む携帯電話向けにすでにある程度形成されていたようだ。
同研究所では2010年度の市場規模を前年比9.8%増の670億円、2013年度には1300億円と1000億円を突破すると見込んでいる。「欧米では1人の作家ごとにエージェントが付いているが、日本は1人の作家が多くの出版社から本を出しており、それがステータスでもある。電子書籍によって、出版社の編集者はプロデューサー的な力、総合力が問われていくことになる。また、それに合わせて出版社も、事業規模を含めて変わっていくことになるだろう」(矢野経済研究所)
関連記事
- いくらまでなら電子書籍を買いますか?
iPadの発売などで、注目度が上がっている電子書籍。多くの人は電子書籍端末や電子書籍の価格が気になっているようだ。楽天リサーチ調べ。 - 電子書籍が、紙の本を上回る日は来るのか
市場規模を調査している「インプレスR&D」によると、電子書籍の規模は2006年度の182億円から2010年度は464億円に拡大。2011年度は500億円を上回ると予測されているが、まだ出版市場全体の2.5%程度にすぎず、急速なシェア拡大を疑問視する人もいる。 - 電子書籍を利用しない理由
電子書籍サービスを利用している人はどのくらいいるのだろうか。「利用している」という人は15.4%、「利用していない」は79.9%であることが分かった。ニワンゴ調べ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.