ミック経済研究所は1月6日、ソーシャルメディアに関する調査結果を発表、2010年度の市場規模を前年度比83.0%増の2005億円と見込んだ。同研究所では「メディアとしての価値が高まっているだけでなく、企業側のソーシャルメディア利用の意識も高まっていることから、今後も年平均25.5%増で成長し、2013年度には3963億円にまで拡大する」と推測している。
同調査は、ソーシャルメディアを5つの分野(SNS、ブログ、Q&Aサイト、動画・画像共有サイト、クチコミサービス)に分類、それぞれの参入プレイヤーに面接取材し、各分野でサービスを運営する29社・33サービスを調査した結果をベースに、市場規模とそのトレンドを分析したもの。
2010年度は課金収入が広告収入の倍に
分野別に見ると、2010年度の広告収入は前年度比24.1%増の618億円(PC向け広告274億5000万円、モバイル向け広告343億5000万円)だったのに対して、課金収入は前年度比132.1%増の1387億円と大幅に増加。2008年度は広告収入が課金収入を上回っていたが、2009年度に逆転、2010年度はその差をさらに広げている。
この最大の要因は、SNS上で展開されるソーシャルゲームによる課金収入の伸びが大きいことにある。ミック経済研究所では「特にモバゲータウンやGREEで提供されているソーシャルゲームによる、1個数百円レベルのアイテム課金やアバター購入課金の比率が大きいのが特徴。また、従来の日本の携帯電話の場合、ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアが決済を代行する体制が整っていることで、利用者側にとっては安心かつ手軽に行えることも要因となっている」と分析している。
関連記事
- ユーザーがお金を払いやすくなる仕掛け――アイテム課金が優れている理由
ソーシャルゲームでのマネタイズの特徴として、「欲を生み出すこと」「無料と有料の違いを演出すること」が挙げられる。そして、ゲームでの時間短縮機能を「高級肥料」として販売するなど、課金対象をアイテムとして具現化することが、課金をうながす上で効果的であるようだ。 - ネトゲ廃人を脱するための3カ条
オンラインゲームにはまるとはどういうことか。筆者が実体験から編み出した「廃人生活」からの脱却方法から、人に優しいオンラインゲームのあり方を考える。 - 「走りながらマーケティングする」――データに支えられたソーシャルゲーム運営
ファンドやコンテスト創設により、本格的な拡大が期待されるソーシャルゲーム市場。その先駆的企業であるZyngaが唱えるソーシャルゲーム特有の運営方法“データ・アプローチ”とは何なのか。世界展開に向けた躍進の条件を探る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.