裕福なバックパッカーはいかが? 高級ホテルにチャリでチェックイン:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
バックパックを背負って旅行するという、若い世代向きの旅スタイルを好む50〜60代が増えているという。とはいっても、テント泊やユースホステル泊といった貧乏旅行ではなく、一流ホテルや豪華なコテージに滞在し、移動はビジネスクラスやグリーン車で行うというのが特徴である。筆者も裕福なバックパッカー旅行を妄想してみた。
地球にもビジネスにも好影響
裕福なバックパッカーは、地球にもビジネスにも好影響をもたらす。
自転車や徒歩旅行、バスや電車旅行が増えれば、クルマ旅行より環境への負荷も小さくなる。欧州では温暖化の影響で夏スキーは消滅し、トレッキングに変わった。国内でも避暑地が避暑地でなくなりつつある地域もある。飛行機でオゾン層を破壊するよりも、長距離列車や船舶を使いたい。地球にやさしい旅行者になろう。
バックパッカーには荷物の移動、身体の疲労という苦痛がある。荷物を軽量化したいなら米国のOnly The Lightest Camping Equipmentをチェックしよう。十数キロのバックパックを半分にするコツを伝授してくれる。また米国のAirbnbのサービスを使えば、世界中の個人宅や別荘やコテージ、さらにボートまで、長期間リーズナブルに借りることができる。
考えてみれば、泊まり歩き旅行者のための荷物別送の宅配便需要もある。一流ホテルにも入れる気品のあるサイクリングウエア開発や、もしもの時の救急サービス、新しい障害保険にもチャンスがある。
「自由になりたい。あの時の感動を(半分でも)味わいたい。でも無謀なのはちょっと」――。潜在的旅行者の心の底にあるそんな“原風景”に目を向ければ、未開の需要はたくさんある。私も裕福なバックパッカー旅行ライターになりたいが、この記事の原稿料だけでは……ムリかな(笑)。
関連記事
- iPadに勝てる機種はあるか? タブレット端末の未来を考えてみた
徐々に普及し始めているタブレット端末。1月6日から米国ラスベガスで始まる「2011 International CES(Consumer Electronics Show)」では、各社が自慢の新しいタブレット端末を展示している。タブレット端末はこれからどのように利用されていくのか、改めて考えてみた。 - “細胞まで生かせる”冷凍技術、CASの秘密に迫ってきた
冷凍食品でも、解凍した時に生の風味を維持できるようになるという技術「CAS」。その技術を開発した株式会社アビーの大和田哲男さんに、その実用性や応用の可能性について聞いてみた。 - 日本製品のお家芸、“複合価値”を科学する
携帯電話やテレビのリモコンなど、さまざまな機能が詰め込まれた製品が世の中にあふれている。その一方、単に機能を寄せ集めただけであるために、使い方が分かりにくくなっている製品も少なくない。複数の機能を組み合わせ、新たな価値を生み出すためにはどんなことが大切なのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.