帝国データバンクは1月20日、葬儀業者の経営実態調査※結果を発表した。それによると、2009年度の売上高が判明した葬儀業者2190社の売上高総額は、前年度比0.7%増の1兆3048億6900万円だったことが分かった。
※2010年12月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」から、2009年度(2009年4月〜2010年3月までの決算期)の売上高が判明した葬儀業者(互助会などを含む)2190社を対象に、売上高総額の推移、規模・地域・業歴、損益などについて分析した。
厚生労働省によると、2008年の死亡者数は114万2467人となっており、ここ数十年は増加傾向で推移している。また、国立社会保障・人口問題研究所では、今後も死亡者数は増え続け、2040年には166万人に達すると見込んでいる。帝国データバンクでは「今後も安定した需要が予想される」とコメントしている。
前期(2008年度)の売上高と比較すると、2009年度の減収業者は751社と、増収業者の551社を上回った。しかし、決算の詳細が判明した業者の純利益を見ると、黒字の業者が9割を占めており、黒字は確保できているものの売り上げを積み増すことが難しくなっている状況にあるようだ。
「市場が拡大する一方で、他業界からの新規参入が相次ぎ、顧客獲得競争が厳しくなってきている。一方で、葬儀の小規模化・簡素化の流れも進んでおり、葬儀1件あたりの単価が減少しているため減収業者が増加した」(帝国データバンク)
売上高トップはベルコ
葬儀業者別の売上高を見ると、トップは「ベルコ」で574億円。互助会事業による冠婚葬祭サービスを全国展開し、多くの関係会社を傘下に持っている。2位は、山口県を中心とした西日本地区に展開する「日本セレモニー」、3位は愛知県内を中心に葬儀専用貸ホール「愛昇殿」を運営する「愛知冠婚葬祭互助会」が続いた。
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