コラム
エコのふれ込みに「だまされた」と感じた時、消費者の7割が離れていく(2/2 ページ)
企業の「地球に優しい」というふれ込みにだまされたと感じた時に、7割の消費者がその商品を買うのを止め、約4割の消費者がその企業のすべての商品をボイコットするという調査結果が最近示された。企業は環境負荷低減の試みについて、どのようにアピールするべきなのだろうか。
「堆肥化が可能」「100%天然素材」とはどういうことなのか
また、75%の回答者が「企業には使っている環境用語をもっと分かりやすく説明してほしい」と望んでいる。説明が必要な表現の例としては「堆肥化が可能」「リサイクル可能」「100%天然素材」などが挙げられている。例を見る限り、これらは言葉の説明というより、「実際のところどうなのか」という説明が欲しいということではないだろうか。
例えば「堆肥化が可能」「リサイクル可能」というのは可能性を言っているだけで、実際のところ、どれだけ堆肥化されるのか、リサイクルされるのかあいまいだ。実際に堆肥化、リサイクルに回されなければ、「堆肥化が可能」「リサイクル可能」であっても地球環境の負荷の低減には貢献しない。
また、「100%天然素材」はあらゆる素材が100%天然素材なのか、一部の素材のみなのか。そもそも天然素材を使うことと環境負荷低減はイコールなのか。そういったことが分かりにくいということだろう。突き詰めると、消費者のこの要望も「『商品は環境負荷を低減している』という企業のうたい文句を裏付ける明確な情報や説明が欲しい」という思いを映したものと考えられる。
このように見ていくと、今回の調査から得られた商品の環境負荷低減についての正しいコミュニケーションのあり方は、次のようなことであることがうかがえる。(中ノ森清訓)
1. 具体的に環境負荷低減効果のある商品を開発する
2.その効果について正直かつ具体的裏付けを示した上で伝える
3.中身が伴っていないのであれば、それが伴うまで安易に環境負荷低減効果をうたわない
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