コラム
報道されなくなったとき、避難所はどうなるのか――陸前高田市(2):東日本大震災ルポ・被災地を歩く(3/3 ページ)
陸前高田市の第一中学校は津波の被害を逃れ、現在避難所となっている。日々、状況が変わっていく避難所生活。必要なものは? 被災者の心のケアは? 避難生活を送る人たちに話を聞いた。
テレビや新聞で報道が数多くされる初期段階は、全国からの注目を浴び、支援物資やボランティアもそれなりに集まってくる。ただ次第に街が片付き、公共施設もそれなりに整備され、徐々にプライベート空間ができ、仮設住宅が整備されていくと、「復興」のイメージができていく。そうした段階にも、必要な支援はあるはずだが、支援の必要性は目には見えにくくなる。
支援は長期的に考えてほしい。それは中井さんだけでなく、多くの被災者が望んでいることだろう。(続く)
渋井哲也(しぶい・てつや)氏のプロフィール
1969年、栃木県生まれ。フリーライター、ノンフィクション作家。主な取材領域は、生きづらさ、自傷、自殺、援助交際、家出、インターネット・コミュニケーション、少年事件、ネット犯罪など。メール( hampen1017@gmail.com )を通じての相談も受け付けている。
著書に『自殺を防ぐためのいくつかの手がかり』(河出書房新社)、『実録・闇サイト事件簿』(幻冬舎)、『解決!学校クレーム』(河出書房新社)、『学校裏サイト 進化するネットいじめ』(晋遊舎)、『明日、自殺しませんか?』(幻冬舎)、『若者たちはなぜ自殺するのか?』(長崎出版)など。メールマガジン 「悩み、もがき。それでも...」を刊行中。
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