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社長が営業をする会社は危ない!?吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

あるコンサルタントから「クライアント先の企業でトップセールスが増えている」と聞いた筆者。トップセールスをすると、契約が決まりやすくなるメリットがある一方、営業組織が育ちにくくなるデメリットもある。そうした企業のトップはどのようなことを考えているのだろうか。

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トップセールスをする本当の理由

 私はここで疑問に思った。多くの社長は、このようなことは心得えている。彼らはなぜ組織が作れないと分かっていながら、トップセールスをしてしまうのか。それを2人に聞くと、次のような回答だった。

1.組織を作るのが遅くなったとしても、自らが動くことで契約が早く決まり、今の危機を乗り越えることができる。その後、自分が営業から離れ、組織作りに専念すればいい、と思い込んでいる。

2.もともと「組織を作ろう」とは強く思っていない。売り上げで言えば10億円以下でも構わない。要は、自分中心の体制で自分のやりたいことができていれば、それで満足。

 1に該当する経営者ならば救いようがあるのだが、2の場合は今後も社長のトップセールスが続く可能性が高いという。当然、組織はいつまでも作られない。みんなで稼ぐ体制にはなりにくい。社長とその側近たちの会社になる。それでも、社長は満足なのだ。そもそも、社長が組織を作ろうとしていないのに、さしたる権限がない社員が懸命に仕事をすること自体、私には意味があるように見えない。

 あなたの会社の社長は、トップセールスをいつまでもしていないだろうか。

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