日本に大きなダメージを与えた、3月11日の東日本大震災。震災以後のことについて、日本人はどのように考えているのだろうか。
NTTデータスミスの調査によると、震災対応での政府・機関・組織・個人への信頼度を尋ねたところ、最も信頼度が高かったのは「自衛隊」で72%だった。以下、「日本国民全般」が63%、「国連」が55%、「日本の大企業」「環境問題やそのほかの支援活動をしているNGO」がそれぞれ51%で続いた。一方、「マスコミ」は18%、「日本国政府」は14%と低かった。
2010年調査と比較すると、救助活動で活躍した「自衛隊」が24ポイント、「日本国民全般」が21ポイント増加したが、「日本国政府」は13ポイント減少した。
震災後、日本国外からさまざまな支援が行われた。「特にどこの国からの支援・援助に感謝したいか」を聞くと、トップはいち早く“トモダチ作戦”で支援に乗り出した「米国」で51%。以下、のべ200億円以上の義援金を送っている「台湾」が41%、原発関連での支援を行った「フランス」が25%、「韓国」「ニュージーランド」がそれぞれ24%で続いた。
「人とのつながりを大切にするようになった」
東日本大震災を経て、日本人の心にはどんな変化が生じたのか。「自然の大切さを感じるようになった」「人とのつながりを大切にしたいと思うようになった」「人は1人では生きていけないと強く感じるようになった」について、全体の8割強が肯定的に回答した。
一方、「人とのつながりをプレゼントや記念品で確認したいと思った」「今までの自分の生き方に何かむなしさを感じるようになった」「持ち家にこだわることはないと思うようになった」については否定的な回答の方が多かった。
インターネットによる調査で、対象は20〜69歳の男女1000人(男性500人、女性500人)。調査期間は6月24日から28日。
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