複数の国で働く――ノマドな生き方の実践者とは:世界一周サムライバックパッカープロジェクト(4/4 ページ)
大学卒業後、ドイツやインド、メキシコ、アルゼンチン、スぺインと複数の国で異なった仕事に携わってきた大田朋子さん。どんな場所でも仕事ができる、いわゆる“ノマド”ワーカーの先駆者として、お話をうかがった。
――複数の国を渡り歩いていられると思いますが、そういった生き方にどんな面白さと困難さを感じますか?
面白さは、自分が好きな場所を舞台に人生を繰り広げられる点。人や異文化への発見には限りがないですし、世界中を舞台に人生を展開できることにはこの上ないワクワク感と自由感があります。
大変なのは、引っ越し作業(荷物整理も含めて)です。特に子どもができてからの引っ越しは、荷物が増える傾向があり大変だなあとつくづく……。
あと、住み慣れた時から離れるのは年々さみしくなっているのも痛感しています。昔は「また会えるからさ」という感じで、これから行く場所への楽しみの方が強かったですが、親しくなった友達との別れが段々つらくなってきているなあ……。
――国際結婚や海外での子育てについて、何かアドバイスがあればお願いします。
国際結婚の良い点は「違う」のが当たり前だから、とことん2人で話をして2人の形を作っていく意識が高くなることだと思います。あっ、でもこれは国際結婚でなくても意識次第でそうなりますね。
子育てはまだまだ渦中なので何とも言えないですが、国によって何が普通かが多少違ってくるので(寝る時間など)、どこに行っても自分が取り入れたいところは喜んで吸収する柔軟さを持ちながらも、大事なところというか、こだわりたいところは「マイウェイ」という気持ちが強くなっています!
子どもの言語(それに伴う学校選び)などの課題がこれから出てきますね〜。楽しみにしています!
――今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。
今までの10年は、時間と場所から独立した形で働ける体制を作ることや、世界を拠点にしていく素地みたいなことができた10年でした。
これからの10年は、それらを広げていったり、自分でもまたプロジェクトを起こしていったりしたいですが、そうしながらも社会へどういう形で還元できるかを具体化していくつもりです。
――最後に、日本の若者にメッセージをお願いします。
若くても若くなくても、できることがたくさんありますが、若い方がやりやすいこともたくさんあると(今は)思います。特に30歳までにしたことは何でも、必ずこれからの人生の糧となります。だから、やりたいことは何でもやってしまって楽しみまくってください!
分からないことでも、分かることをやっていくうちに分かることが増えてくるものだと思うので、その時に自分に失礼じゃない時間の過ごし方をしていけるといいですね。
あと、どんな時でも家族と友達、何より自分の「直感」みたいなのを大事に自分の人生舞台を楽しみまくってください!
“ノマド”な生き方の実践者
大田さんほど世界中を動き回って仕事をしている人は、そう多くないと思います。世界のどこででも仕事を創っていける、いわゆる“ノマド”な生き方を実践されている人でしょう。
海外のどこにでも動いていけるチカラ、自分の仕事を創っていけるチカラ、家族を支えていけるチカラ……。僕も見習いたいところ、学びたいところが多く、もしかしたら大田さんは僕が想い描く生き方の1つの理想形なのかもしれないとも思ったりします。
大田さんはドイツの後、インド、メキシコ、アルゼンチン、スペインと移動しているわけですが、考えてみると、メキシコ、アルゼンチン、スペインの共通語はスペイン語。もちろん、大田さんはすでにスペイン語ペラペラです。スペイン語の今後の可能性について、改めて考えさせられました。
大田さんはブログやTwitterで興味深い情報をいつも発信してくれていますので、海外へ飛び出してみたい方は要チェックです。
関連記事
- 事故から25年、チェルノブイリ原発ツアーに参加してきた
25年前、福島第一原子力発電所と同じレベル7の事故を起こした、ウクライナのチェルノブイリ原発。それにも関わらず、今でも同国では電力供給の半分を原子力発電でまかなっている。現地を訪れ、街の人の声を聞き、ウクライナで事故はどのように受け止められているのかを調べた。 - パリのJAPAN EXPO2011で、日本コンテンツの未来を考えた
6月30日から7月3日までフランス・パリで4日間開催されたJAPAN EXPO2011。20万人が訪れたこのイベントの概要とともに、筆者が考えた日本コンテンツの海外での収益化構想についてご紹介する。 - 日本人がフィリピンで起業するということ――ー格安オンライン英会話のレアジョブ社長に聞く
フィリピン大学の在学生や卒業生と、25分間129円から英会話できるサービスを提供しているレアジョブ。加藤智久社長に、フィリピンで起業するということについて聞いてみた。
Copyright© SAMURAI BACKPACKER PROJECT Inc. All Rights Reserved.