東京商工リサーチは1月25日、日本酒メーカー523社の2010年度の売上高は前年度比3.8%減の3161億700万円だったと発表した。
「若者のアルコール離れ、消費者の低価格志向などで日本酒の消費減少に歯止めがかからなくなっている」(東京商工リサーチ)ことから、日本酒の製造量(国税庁調べ)は1968年の142万1000リットルをピークに、2009年には46万1000リットルにまで落ち込んでいる。
日本酒メーカーの売上トップは白鶴酒造(兵庫県神戸市)の340億4700万円で、月桂冠(京都府京都市)が294億100万円、大関(兵庫県西宮市)が225億7700万円で続いた。しかし、上位20社のうち増収だったのは、加藤吉平商店(福井県鯖江市)1社のみ。「同社は国内外の日本酒コンテスト入賞などで知名度を高め、海外の法人や国内の富裕層への拡販策が奏功している」(東京商工リサーチ)。
都道府県別の売上高をみると、白鶴酒造や大関、日本盛など灘の銘酒が多い「兵庫県」が1152億3400万円でトップ。「京都府」が433億7400万円、「新潟県」が289億7800万円で続いた。メーカー数では、日本有数の米どころで日本酒の産地としても名高い「新潟県」が41社で断トツだった。
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