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鉄道ファンは悩ましい存在……鉄道会社がそう感じるワケ杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)

SL、ブルートレイン、鉄道オタク現象など、いくつかの成長期を経て鉄道趣味は安定期に入った。しかしコミックやアニメと違い、鉄道ファンは鉄道会社にとって悩ましい存在だ。その理由は……。

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 ところで、鉄道会社が抱える問題点「ファンが顧客ではない」は、他のオタク市場にも兆候が現れているような気がする。趣味人口が増えているけれど商品が売れない。そんな趣味市場はないだろうか。

 例えば、昨年の東京モーターショーは大盛況だったが、今後、クルマの販売台数は拡大していくのか。筆者が見る限り、これらのイベントのおかげでもうかっているのは、イベントの主役の業界ではなく、カメラメーカーや携帯機器メーカー、コンパニオン業界などのような気がする。どれも実態はキャンギャルの撮影会で商品は背景……。こうなれば誰のためのイベントか分からなくなってくる。

 同人誌最大のイベント、コミックマーケットの入場者が増え、出版社がオフィシャル出展を始めている。これは「二次著作物が盛り上がり一人歩きを始めて、一次著作物がメリットを享受していない」からではないだろうか。

 ファンが増えてもモノが売れない――。そんな悩みを抱えたとき、これからの鉄道会社の取り組みが参考になるかもしれない。


「産業ライフサイクルとオタク層の役割(野村総研)」。この図は趣味ビジネス本体の市場傾向を示したものと考えて良さそうだ。鉄道の場合「趣味周辺ビジネス」は成長しているようにも思える。


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