調査リポート
震災が影響、2011年の本社移転企業数は過去5年で最多
帝国データバンクの調査によると、2011年に市郡を超えた本社移転を行った企業は前年比5.8%増の1万621社と、過去5年で最多となったことが分かった。東日本大震災の影響が大きかったようだ。
帝国データバンクは3月15日、本社移転企業の実態調査結果を発表、2011年に市郡を超えた本社移転を行った企業は前年比5.8%増の1万621社と、過去5年で最も多いことが分かった。同社では「東日本大震災による甚大な被害を受けて被災地から移転した企業のほか、震災後の関東圏における電力不足を懸念し、リスク分散の観点から本社機能の一部を移転した企業も散見された」とコメントしている。
東日本から西日本に本社移転した企業は111社で、東京都港区から福岡県福岡市に移転したケンコーコム、宮城県石巻市から鹿児島県枕崎市に移転したニュー恵久漁業などがあった。
地域別にみると、最も転入数が多かったのは東京都江東区で60社。以下、東京都杉並区が28社、神奈川県横浜市が26社、東京都品川区が25社、東京都板橋区が23社で続いた。
一方、最も転出数が多かったのは大阪府大阪市で147社。以下、東京都中央区が108社、東京都千代田区が82社、東京都港区が61社、東京都豊島区が60社で続いた。被災地では福島県双葉郡が27社で9位、宮城県石巻市が14社で12位に入っていた。
関連記事
- 3月11日で終わったこと・終わらないこと
東日本大震災から1年が経過した。大手メディアは「大震災から1年」の特集を組んでいたが、その報道を見て違和感を覚えた人もいたのではないだろうか。 - 津波で町は流されたけど……石巻市雄勝地区の成人式
震災による津波で高台にある家や施設以外はほぼ流出してしまった雄勝地区。しかし、多くの人々の努力の甲斐あって、成人式は無事行うことができた。思い出の場所がなくなってしまった新成人たちは今、どのようなことを思っているのだろうか。 - 震災の影響、農家の3分の1が「現在もある」
東日本大震災とそれに伴い発生した津波、原発事故は、日本の国土に大きな被害を与えている。全国の農家の3分の1は、東日本大震災による経営への悪影響が「現在もある」と認識しているようだ。日本政策金融公庫調べ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.