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デジタル教育ならではの教材ってどんなもの?:中村伊知哉のもういっぺんイってみな!(3/3 ページ)
世の中には学校現場にデジタル教材を導入することに対して、「ぼんやりとした不安」を持つ人も多い。それを払拭するには、デジタルならではの教材を開発してみせるしかない。
環境が大きく変化することに対する漠然とした恐れを払拭(ふっしょく)することは簡単ではない。日本はこの数年、青少年のケータイを禁止したり、建築や金融の規制を強化して経済を痛めたり、インフルエンザが上陸したらみんな一斉にマスクしたりと、不安からくる縮み指向にさいなまれ、事態を打開するパワーがみなぎらない。
これを打開するには、まずデジタル教育の具体像を共有すること。デジタルならではの教材を開発して、教育効果の高いコンテンツを生む。デジタル教育を望むという現場の先生や保護者や子どもたちの声を高める。これが結局、近道。
田原総一朗さんとは対談を繰り返した結果、今やDiTTのアドバイザーになって、デジタル教育論議を引っ張ってくれている。子どもたちの未来に対する想いは同じだ。
東北の被災地では63万冊の教科書が流されてしまったという。教科書や教材をデジタル化し、ネットワーク化しておく必要性が大震災で改めて浮き彫りになった。被災地では学校が避難場所として使われている。町の安心・安全のよりどころとして、学校の大切さが再認識されている。
日本の復興を図る上で、学校と教育の情報化は大事な論点となる。復興と教育情報化。この2つの難問を同時に解いていく。その覚悟が国全体に求められている。
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