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コラム

企業文化の出発点は存在意義に求めるべき――ドラッカーが教えてくれたこと(2/2 ページ)

先週、ボストン近郊で行われた企業文化のカンファレンスで、ドラッカーの「先見の明」を改めて実感したという筆者。これからの企業戦略はパーパス(存在意義)の追求から始まるのだという。

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ドラッカーが教えてくれたこと

 近代経営学の巨人、ピーター・ドラッカーは自らを「社会生態学者」と定義していたが、この社会生態学という考え方が今、米国ビジネス界ではスポットライトを浴びつつある。自然生態学が自然界における生物と環境の相互関係を扱う学問であるのに対し、社会生態学は社会における人間やエンティティ(企業組織)と環境の相互関係を扱うものである。

 社会生態学者としてのドラッカーの考え方は、企業やその活動を社会問題に対する解決策としてとらえるものであった。つまり、今日、取りざたされている「コンシャス・キャピタリズム」の考え方をいちはやく先取りしていたわけだ。ドラッカーという人の偉大さをつくづく思い知らされる。

 1990年代くらいから「エコロジー」という言葉がもてはやされ始めて、自然環境に優しい企業活動のアプローチがいろいろと模索されてきた。しかし、これからは、「自然環境」から「社会環境」にスコープを広げて、企業の活動を考えねばならない時代が到来する。そういった意味からも、明確なパーパス(存在意義)を社会に向け、そして企業の中の働く人に向けて宣言し、忠実に実践できない企業に先はないだろう。(石塚しのぶ)

 →石塚しのぶ氏記事バックナンバー

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