コラム
「スマホに乗り換えて良かった」と言わせるために――3キャリアの戦略・夏の陣:神尾寿の時事日想(5/5 ページ)
爆発的にスマートフォンが普及しつつある今、通信キャリアは新しい課題に直面している。それは「なんとなくスマホ」な一般ユーザーに「ケータイから乗り換えて良かった」と思わせるための仕掛け作りだ。
これからのスマホ市場は、コンテンツサービスが牽引する
これまでのスマートフォン市場は、ユーザーの関心度やITリテラシーが比較的高く、スマートフォンの使い方はユーザー自身が見つけられた。自らインターネットの中を渉猟し、ニーズにあったコンテンツサービスやクラウドサービスを見つけ出して使いこなせる人たちが中心だったのだ。
しかし、これからは違う。スマートフォンならではのメリットや楽しさを「分かりやすいコンテンツサービス」としてパッケージ化し、それをマス広告で伝えた上で、店頭でていねいに訴求・サポートしていかなければならない。それができなければ、冒頭の家電量販店の話にあるように、「スマートフォンは月々の支払いが増えるだけ」と言われてしまう。今ケータイを使っている人たちが、スマートフォンに乗り換えてよかったと満足できるメリットを作らなければならない。その鍵を握るのが、コンテンツサービスによる“コト作り”なのだ。
とりわけAndroidスマートフォンでは、Apple自らがiTunes Store/App Storeを整備・展開するiPhoneと違って、コンテンツサービスの拡充をメーカーではなくキャリアが行うことになる。各キャリアのコンテンツ分野での開発力と投資余力が、今後のスマートフォン市場の競争においては重要になるだろう。
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