総理大臣よりもはるかに強い――高橋みなみのリーダーシップとは:AKB48の戦略!(2/2 ページ)
前田敦子卒業後のAKB48を牽引してきた高橋みなみさんが、全体の総監督に就任した。AKB48の総合プロデューサーである秋元氏も「本当に政治家になるべきだ」と言う。誰もが認める高橋みなみさんの、強いリーダーシップとは?
高橋みなみは痛みの分かっているリーダーだから、説得力がある
田原:どんなふうに見事なの?
秋元:痛みの分かっているリーダーだから、すごく説得力がある。例えば、メンバーの女の子が卒業していく。みんなは「おめでとう」「お疲れさま」「頑張ってね」と言って終わる。当たり前ですけど。ところが高橋みなみは、その子を呼び、ものすごく怖い形相で「お前は絶対に戻ってくるな」と言う。「もう、あなたの退路は完全になくなったと思いなさい。甘えていてはダメだ。それくらい、あなたには期待しているんだから」みたいなことを、えんえんと言うんですよ。
田原:高橋みなみは1991年4月8日生まれか。まだ21歳で、すごいね。
秋元:すごいです。いじわるで言うんじゃないんです。甘えた気持ちで、またAKBに戻ればいいやなんて、中途半端に思っていてはダメ。命がけでやれと。彼女たちのためにできることはなんでもやるという思いがあって言うから、説得力があるんです。
博多にHKT48劇場ができたとき、そこの子たちがみんな14歳くらいで右往左往していた。たまたま東京でAKBメンバーと一緒になる機会があって、向こうのリーダーの子が高橋に「どうやってまとめたらいいでしょうか?」と相談したんです。すると、スケジュールが立て込んで選抜メンバーがへとへとに疲れていたときだったんですけど、高橋みなみは「HKT48のメンバーを全員呼んで」と言って、車座になって2時間しゃべった。話が特別うまいわけでもないけど、ちゃんと伝わるんです。なんだろうな。話がうまいとか判断力が的確とか、そういうのとは違うリーダーとしての才能でしょうね。
(つづく)
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