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どんなネタに? 世界は金正恩を嗤っている伊吹太歩の世界の歩き方(2/4 ページ)

「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた北朝鮮の金正恩第一書記に世界の注目が集まっている。ただし、格好の嘲笑のネタとして。

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思わず笑いが漏れる「キム・ジョンウン」

 「相変わらず」な北朝鮮だが、世界的に金正恩の名が広く知らしめることには成功した。一方で、米国で北朝鮮情勢を心配していた知人らと話していても、「キム・ジョンウン」の名前が出ると、不思議と笑いが漏れた。彼の名が知名度を得ている背景には、北朝鮮の若き独裁者が、欧米では格好の嘲笑のネタになっていることがある。

 現在では世界に金正恩のような分かりやすい(かつ笑える)独裁者は少なくなった。発言を笑い物にされたリビアのカダフィ大佐や、お約束ともいえる反米の過激発言を繰り返したベネズエラのウゴ・チャベス大統領(参考記事)は死んだ。閉鎖された国で、私腹を肥やした残忍なミャンマーのタンシュエ上級大将も、占い好きでやりたい放題に国を動かしているとからかわれたが、すでに表舞台を去っている。

 もちろん独裁者だけでない。乱交や未成年との性交と、首相とは思えない性欲ぶりで話題を振りまいたイタリアのシリビオ・ベルルスコーニ元首相(参考記事)も今は政界の表舞台にはいない。

 つまり世界的にキャラの立つ、そして笑いものにできる指導者はほとんど消えてしまっている。

 かつてリビアのカダフィが死んだとき、政治風刺画の漫画家が「ネタになる人がいなくなるのはさみしい」という趣旨のコメントをしていた。不謹慎のような気もするし、さみしいというのは言い過ぎだが、それがメディア側の本音ではないだろうか。

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