コラム
女性をさらって「監禁」する男たちに、共通する「病」とは?:窪田順生の時事日想(3/4 ページ)
オハイオ州の民家で、3人の女性が10年間も監禁されていたというニュースが飛び込んできた。日本でも2000年に、新潟県の加害者宅で、小学4年生の少女を9年2カ月間も監禁していた誘拐事件があった。女性をさらって「監禁」する男性たちに、どんな共通点があるのか。
2人の共通点
このようにまったく異なるタイプの2人の犯罪者だが、実はひとつだけ共通点もある。それは、自分の中の「闇」をよく自覚しているということだ。
地元テレビ局記者によると、カストロの自宅から、2004年ごろに書かれたとみられるこんなメモがあったらしい。
「私は性犯罪者。助けを必要としている」
佐藤受刑者も私に対して、自分は明らかに「心の病」だと訴え、他の受刑者と同じ待遇で扱う千葉刑務所を、「ゲバ(暴力)刑務所」と批判し、手紙にこんな不安を綴ってきたことがある。
ゲバ刑より苛めに苛め続けられて居る此の私が、心成らずも社会へと憎悪の炎を燃やす悪人へと変心したと為ても何等不思議は無く、寧ろ其のストレスから狂人と成るより先に、恐ろしい悪人へと変質して仕舞うのでは無いかと、其の事に恐怖すら感じて居る毎日です(原文ママ)
自分でも自分を抑えることができない――。彼らは自分がある種の「病」だということを、誰に言われるまでもなく、よく分かっているのだ。
それを裏付けるようなデータがつい1カ月ほど前に出た。性犯罪が社会問題化している韓国で2011年に国立法務病院に収監された性犯罪者50人を調査した結果、94%が精神的疾患を煩っており、3人に2人は性倒錯(社会通念から逸脱した性的嗜好)だったというのだ。
関連記事
- 中国人とロシア人の「本音」がよく分かる、「逆さ地図」ってナニ?
日本海を中心に南北を逆さにした通称「逆さ地図」を見たことがあるだろうか。その地図を見ると、中国やロシアの「本音」が分かってくるのだ。 - サラリーマンを喰い尽くす、“タガメ女”ってナニ?
“タガメ女”という言葉をご存じだろうか。一部の人たちの間で話題になっているが、聞いたことがない男性はその女性の正体を知っておいて損はない。なぜなら無抵抗な男性を……。 - なぜマスコミはインチキをしても「ごめんなさい」と言わないのか
普通の企業ならば謝罪会見モノの不祥事が発覚しても、しれっとした顔でやり過ごしている業界がある。言わずと知れた、マスコミだ。なぜ彼らは意地でも頭を下げないのか。そこには一般人にははかりしれぬ“美学”があったのだ。 - 借金大国日本で“踏み倒す人”が急増している理由
国民年金、給食費、授業料、治療費……今、公的な支払いを踏み倒す人が増えている。この背景には、いったいどんな「裏」があるのだろうか? - NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。 - なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.