なぜ2位はダメなのか? 社長が1位にこだわるワケ:仕事をしたら“最年少上場”だった(後編)(3/5 ページ)
東証一部上場企業の最年少記録を塗り替えたリブセンスの村上社長は、「イマドキの若者は……」という若者論についてどのように感じているのだろうか。また自分よりも年下のスゴい経営者の名前を挙げてもらった。その人の名は……。
1位は人類の進化に貢献している
村上:よく「村上さんは、ゆとり世代ですよね」と言われるんですよ。でも、私はゆとり教育を受けていません。ゆとり世代の人たちと話をしていると、ちょっと違うなあという感覚があります。彼らからは「自由」を感じるというか、「多様性」を感じるというか。うまく言えないのですが、なにかが違う。数年の違いだけなのに、教育内容が違うと、どこかが違うなあと感じることがありますね。
土肥:私は40代前半の人間なのですが、年齢がちょっと離れているだけで「教育が違うからこの人たちとは違う」といった感覚はありません。むしろ、バブルを経験しているかどうか、といったことのほうが大きいですね。
村上:ゆとり世代と私の年齢は数年しか違いませんが、彼らは競争をあまりしたがらない傾向があるのではないでしょうか。「負けても別にいいじゃん」といった雰囲気がうかがえます。私の同級生は「戦うからには勝ちたい」という考え方をしている人が多いのですが、ゆとり世代からは「なぜ勝たないといけないのですか?」などと聞かれることが多い。
やるからには1位でなければいけない――。私は、1位という存在意義をとても大切にしています。
土肥:そんなことを言っていると、ゆとり世代から「2位じゃダメなんでしょうか?」と聞かれるわけですね。どこかの政治家のセリフみたいに(笑)。
村上:もちろん2位であることが「悪い」と言っているわけではありません。ただ、「1位にはこだわらないといけない」と思っています。なぜなら1位と2位の差というのは大きくて、1位は人類の進化に貢献していますが、2位はあまり貢献していないからです。
土肥:ということはビジネスの世界でも「1位を目指す」ということですよね。
村上:ものすごく、1位にこだわっています。そこはがんばって、勝ちますよ!
土肥:「勝ちますよ」というのは、競合他社に「勝つ」ということでしょうか?
村上:「勝つ」というよりも、がんばってサービスを大きくする、といったイメージですね。例えば、インターネットでアルバイト情報を扱うサイトはたくさんありますが、その中でも「ジョブセンス」を利用する人が最も多くなってほしいですね。ここで誤解してほしくないのですが、決して売上トップを目指しているのではありません。なので勝つというのは、売り上げよりも採用人数でトップ……つまり世の中に貢献するという軸が強いですね。
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