誰が当選するのか? それは「エリア分析」が教えてくれる:仕事をしたら“選挙の勝ち方”が見えてきた(前編)(3/6 ページ)
「選挙プランナー」と聞いて、どんなイメージがあるだろうか。多くの人は「候補者を当選させるプロ」などを想像するかもしれないが、仕事内容を詳しく知る人は少ないのでは。そこで選挙プランナーとして活躍している、株式会社アノンの野沢高一氏に話を聞いた。
エリア戦略は重要
野沢:選挙を戦う上で、エリア戦略は重要になってきます。なぜなら同じ選挙区でも、地区によって特徴が大きく異なるから。地域の結びつきが多い地区、逆に新しいマンションができて他地域からの流入者が多く無党派層が多い地区、行政からの投資を多く得てきた地区などがあります。
下の図を見ていただけますか? これはX市の地図で、A地区には市役所、B地区には駅があります。市役所と駅は少し距離がありますが、なぜ離れているのか。それは古くからこのX市に住む住民はF地区で田んぼや畑を持っていて、「煙がでる汽車は遠くに……」といった声があって、X市の中心から離れたところに駅が建てられました。
土肥:その話は聞いたことがあります。当時は地元の名士の声が強く、特に国鉄(現・JR)の駅は街の中心から少し離れたところにつくった……とか。もちろん、すべてがそうではありません。
野沢:例えば、このX市で市長選が行われるようになりました。さて、ここで問題。どの地区から立候補者が出ると思いますか?
土肥:そ、そんなの分かりません。私は予想屋ではありませんので(笑)。ひょっとして、野沢さんには分かるのですか?
野沢:分かります!
土肥:ウソでしょう?
野沢:市長選では、CとDの地区から候補者が出てくるんですよ。
土肥:ちょ、ちょっと待ってください。なぜCとDなんですか? Aからでもいいですし、Bからでもいいじゃないですか?
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