誰が当選するのか? それは「エリア分析」が教えてくれる:仕事をしたら“選挙の勝ち方”が見えてきた(前編)(2/6 ページ)
「選挙プランナー」と聞いて、どんなイメージがあるだろうか。多くの人は「候補者を当選させるプロ」などを想像するかもしれないが、仕事内容を詳しく知る人は少ないのでは。そこで選挙プランナーとして活躍している、株式会社アノンの野沢高一氏に話を聞いた。
選挙には3つのパターンがある
土肥:マーケティングの切り口で……なんだか面白そうですね。具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?
野沢:その話に入る前に、ドイさん、選挙にはパターンがあることをご存じでしょうか?
土肥:パターン? うーん、想像もつきません。
野沢:選挙にはパターンがあって、市長選挙や知事選挙といった、いわゆる首長選挙では基本的に3つのパターンしかありません。パターン1は「現職VS. 新人」。パターン2は「現職が引退して後継指名をした、新人VS. 新人」。パターン3は「現職が後継指名をしないで、新人VS. 新人」。当選人数1人に対して、2人以上の新人が出るパターンもありますが、基本的にはこの3つに収まります。
また、かつての選挙は「応援する選挙」でした。「○○党のために」とか「○○先生のために」といった形で応援して、投票する。しかし、いまは「選択する選挙」に変わりました。例えば、前回の衆議院選挙では、候補者が「TPPに賛成です/反対です」「消費税の増税に賛成です/反対です」といった感じで、いわば“クイズの回答者”になってしまいました。「TPPに参加しなければいけない」と“回答”したなら、候補者は有権者を「TPP賛成」の方向にもっていかなければいけません。そこで自分が“回答”したほうに持ち込むことができれば、勝てる確率が高くなります。
土肥:そういえば、各メディアも「日本の選択」といった切り口で報道していましたね。
野沢:選挙のコンサルティングをさせていただく際、私は選挙区の現状を把握します。選挙区の街がどのように発展してきたのか、昔はどういうところだったのかを知ろうとします。
土肥:なぜそんなことをされるのですか?
関連記事
- 再び始まるマスコミの“安倍晋三バッシング”、なぜ?
衆議院の総選挙は、自民党の圧勝で終わった。この結果を受け、筆者の窪田氏は「また始まるのかあ」とウンザリした気持ちになったという。「また始まる」のは自民党政権ではなく、マスコミ各社による“安倍晋三バッシング”だ。 - 何が問題なのか? メディアにころがる常識
メディアが構造的な問題に苦しんでいる――。購読部数の減少、広告収入の低下などさまざまな課題が押し寄せているが、解決の糸口が見えてこない。こうした問題について、ジャーナリストの津田大介氏と社会学者の鈴木謙介氏が語り合った。 - 朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由
気鋭のジャーナリスト、上杉隆氏、相場英雄氏、窪田順生氏の3人が、Business Media 誠に登場。「政治評論家に多額の資金が渡った」と指摘されている官房機密費問題や、メディアが抱える問題点などについて語り合った。 - “でっち上げ記事”を書かれたら、どうすればいいのか
週刊誌を中心に、でっち上げ報道に苦しめられた前横浜市長の中田宏氏。事実ではない記事が相次いで掲載されたが、そんな状況に対し、彼はどのような対抗手段をとってきたのか。人気ブロガーのちきりんさんと語り合った。 - 橋下市長どころではない!? カナダにもいた「暴走」市長
「東洋人は……」と暴言を吐くトロント市長が、橋下騒動と同じ時期に窮地に。ネタ元から2000万円でビデオ提供をほのめかされたニュースメディアがとった金策手段とは? - 仕事をしたら○○が見えてきた・バックナンバー:
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.